夏から秋へと季節が移り行く9月。朝晩、少しずつ涼も感じられ、澄みきった空気の中に秋の声を聴いたり、景色が原色からセピアカラーに変わりゆくのを見ると、ちょっとノスタルジックな思いに駆られたりませんか。季節が緩やかに過ぎていく日本の風土を一番五感で感じられるときかもしれませんね。
自然界の生き物たちはゆっくり冬支度し始めるころ、植物は深い緑から茶色へと、または、一度葉を落として冬を迎える準備に入ります。
そんな秋の風景をお部屋のなかにも取り入れて、小さな秋を楽しみませんか。
お花は、花瓶に活けて飾る楽しみ方だけではなく、他にもいろいろあります!今回は水を使わず、素材そのものを見て触って感じていただき、簡単に作って飾れる楽しみ方をご紹介します。
~ シンプルな秋のリース作り ~
リースはクリスマスシーズンのイメージが強いですが、一年中いつの季節もその時にある植物で、くるっと輪にすれば、“しあわせの輪”=リース ができ上ります。
例えば、シロツメクサで編んだ花冠・・・一度は幼い頃作りませんでしたか?自然と手が動いていたものですね・・・その感覚で大丈夫です!
【ここだけはおさえておきたいポイント】
①素材のもつ自然な形をできるだけ生かしましょう。例えば枝の動きに合わせて巻いていったり、飛び出した実物もそのままに。多少いびつくらいが可愛かったりします。無理に形を整えたり作りこまずに、自然の流れにそって、手も動かしていきましょう。
②リースの土台に花材を巻きつけていく際、最後まで一方向に進めていきます。右利きの人の場合は、時計回りと逆の方向、左利きの人は時計回りだと作りやすいと思いますが、ご自身のやりやすい方向で大丈夫です。
③花材が少ない場合、他の小物使いでボリュームアップするとオリジナリティがでます。例えば、天然素材の麻布を裂いたものをリボン代わりにしたり、ラフィア(ヤシの葉からできた繊維)を結んでみたり。インテリアとしてもしっくりきます。→次回詳しくご紹介する予定です!
作ったリースは掛けたり吊るしたり、立てかけたり、置いたり、浮かべたり…飾り方を変えてみるだけでも、また違った魅力にで出会えます。
もしかしたら、一番簡単に植物を飾れる方法かもしれませんね。
【季節が移ろいゆくグリーンリース~グリーンアナベルとユーカリを使って】
≪使用した素材≫
●グリーンアナベル(直径約15cm×1玉)
アジサイの一種で秋が旬のお花です。渋めのグリーンの花弁は、元々乾いた様な感じが特徴で、ドライリースの花材として使いやすく人気があります。色味は褪せていきますが、可愛らしい花の形はあまり変わらず、半年から1年間ほど楽しめます。
この季節、他にも秋色ミナズキヤ秋色ライムライトなど素敵なアジサイを見かけますよ。
●グニーユーカリ(長さ約30cm×3本)
通年流通はしていますが、これからクリスマスシーズンにかけてなくてはならない存在の葉物で、品種も色々あります。香りにも癒されますね。
●野バラの実(切り分3本)
少しオレンジががってきましたが、冬には真っ赤な実になります。
●その他草花(適量)
ニゲラの実、エノコログサ
●リースの土台
今回は100円ショップで販売している直径15cmのものを使用しましたが、材料の量によっては一回り小さめの型もあるのでおすすめです。
≪作り方≫
●下準備
購入したリースの土台をそのまま利用してもよいですが、カチッとした感じなので自然な風合いを出すために、今回は、蔓を半分くらい解き、緩く巻き直しました。その後崩れてこない様に4か所程ワイヤーで止めておきます。
②リースの土台に巻いていく前に、花材を適度な大きさに切り分けておきます。リングの隙間に差し込みやすいように、1パーツの茎や枝は6cm前後は残し、下葉は取除きます。
②ユーカリを土台に沿うように1枝ずつ差し込んでいきます。
③はみ出した茎は、裏から土台に編み込んでおきます。
④同じ方向に挿し進めていきましょう。なお、ユーカリのパーツは後から味付けするために、少し残しておくと良いです。
⑤アナベルを挿していきます。アナベルの茎は細くて弱いので、土台に挿したらグルーガンで土台と接着させていきます。全てではなく、時には花と花を絡ませて動かない様にするだけでも大丈夫です。
⑥アナベルのベースができたら、ポイントに実物を付け、挿し残りのユーカリ・アナベルで足りない部分を追加して埋めて自然なかたちにととのえます。リボンやラフィアを付けてもいいですね
残ったお花たちも捨てないで!!
巻いたり結んだり束ねたり…ミニリースやガーランド、スワッグなどにして、秋の気配をおうちにプラスしてみてはいかがでしょう。
【ユーカリとアナベルのミニミニガーランド】
≪作り方≫
①長めのユーカリを選び、茎をぐるっと輪にして結びます。これを土台にして、飛び出た葉を輪に通し編んでいきます。
②次のユーカリは結び目から3分の1程先からスタートして同じように輪に通して絡めます。足りないところは、短い葉を挿して形を作っていきましょう。
③短くて解けてしまうと場合は、他のユーカリの枝を使って、リングに対して下から垂直に出し上で結んで留めます。こうすると接着剤を使わずに素材だけで仕上げられますね。
④長めのラフィア(1m位)を半分に折り、ユーカリのリングに結びます。好みのところにゆるく結び目を作り、その輪に小さいアナベルのパーツの先を挿して引き締めます。
その繰り返しで出来上がりです!
≪リースを作る時にあると便利な道具≫
・花ばさみ
*花材を土台に接したり巻いたりするとき
・グルーガン(100円ショップでも売ってます)
・木工用ボンド
・ラフィア(繊細な花材を巻くとき)
・リースワイヤー(枝物などを巻くとき)
・ワイヤー (太さ26番前後)
【wreath (リース=輪・花輪・花冠の意)の由来】
ひとつは、切れ目のない輪の形から、永遠の幸せを願ってつくられるものとして、もうひとつは、収穫物をリースに仕立てて保存し、家で使うためとして・・・。
豊作を願い、実りや収穫への感謝も込められているのでしょう。
植物と触れ合いながら手を動かしていると、人と自然のつながりを感じて、穏やかで幸せな気持ちになりますよね。