青空と太陽が似合う大きな黄色い花。
夏の訪れを感じ、元気やパワーをくれる太陽の花!といえば・・・世界中から愛され続けている「ヒマワリ」ですね。
旬は7月~8月ですが、元気をくれるビタミンカラーと力強く咲くイメージから、近年、父の日にヒマワリを贈る習慣が定着しつつもあり、からこれから秋口までメインの花として花屋の店頭を彩ります。
梅雨時ではありますが、太陽の花を飾ってお部屋はいつも晴れ晴れした気分で過ごしてみませんか。
【基本情報】
『ヒマワリ』(和名:向日葵)
・別名:日車(ヒグルマ)、日輪草(ニチリンソウ)、天蓋草(テンガイソウ)、天竺葵(テンジクアオイ)、日向葵(ヒュウガアオイ)、迎陽花(げいようか)、望日蓮(ぼうじつれん)などなど
サンフラワー(英: Sunflower)、ソレイユ(仏: Soleil:太陽)
・キク科ヒマワリ属 一年草
・原産地/北アメリカ
・日本の主な生産地/北海道、千葉県
・花色:黄、オレンジ、赤褐色、白、複色など
・花もち:5~7日
〇花名の由来
和名のヒマワリの語源は「日廻り」。陽を追って回る花という意味でつけられました。実際には、太陽を追って延びるのは花が咲き始める成長過程の時までで、開花すると茎が固まり、常に東を向いている状態で太陽のような花を咲かせ続けます。
別名の多さからも、どれだけ多くの人々に愛されてきたかがわかります。いずれも太陽がきらめくような花姿や、光や天に向かって顔を上げて咲く姿などをイメージして名付けられたのですね。
●花言葉
「あなただけを見つめる」「愛慕」「憧れ」
元気をくれるヒマワリにも、悲しい恋の言い伝えがあります。それはおなじみのギリシア神話です。
大洋の神オケアノスの娘である水の精クリュティエ。彼女は太陽の神アポロンに恋をします。しかしアポロンには女神カイアラピという意中の相手がおり、クリュティエの想いは叶わぬ片想いだったのです。彼女はそのことを嘆き哀しみ、毎日アポロンが天の道を黄金の馬車で駆けていく様子を涙しながら眺めていました。
その間にクリュティエが口にしたのは冷たい露と自分の涙だけ・・・そして、実らぬ恋の末9日間立ち尽くしていたクリュティエの足は地面に根付き、ヒマワリへと姿を変えてしまいました。
このクリュティエの恋焦がれる様子と、太陽が東から西に移動するヒマワリの姿が合わさり、「あなただけを見つめてる」など情熱的な花言葉が生まれたのですね。
【楽しい品種のご紹介】
切花のヒマワリの楽しさのひとつとして、品種の多さがあげられます。花型は小輪から大輪まであり、一重咲き、八重咲きがあります。
花色はビタミンカラーのオレンジやイエローをはじめ、レッドやブラウン系、ホワイト系、ライムグリーン系、バイカラーなど豊富にあり、一般的には元気で可愛らしいイメージですが、品種によってはシックで大人っぽいイメージも!
有名な品種としては「サンリッチ」シリーズ、「画家」シリーズ、「ビンセント」シリーズがあります。
●「サンリッチ」シリーズ
出荷量も多い品種で、特徴は花弁がすっきりシャープで美しく、整った花型を長く維持します。花名にはビタミンカラーにあわせてフルーツ由来の名前がつけられていてチャーミング!
サンリッチ・バレンシア、マンゴー、バナナ、ライチ、マロンなど。どれもおいしそうな名前♪
〇「画家」シリーズ
2001年に登場したユニークで人気のシリーズです。名画「ひまわり」を彷彿とさせる「ゴッホのひまわり」を始め、さわやかなイエロー系八重咲きの「モネのひまわり」、花弁の形がユニークな八重咲きの「ゴーギャンのひまわり」や「マティスのひまわり」など。出荷量が少ないため、出会えればとてもラッキーかもしれません。
〇「ビンセント」シリーズはゴッホの本名「Vincent van Gogh」にちなんで命名されました。花びらが丸弁で重ねがよく、かわいらしい花型です。そして、従来の品種と違い、下を向くことなく、花は上向きに元気に咲きます。上を向く花型から花束やアレンジしやすくギフトにもおすすめです。
花屋さんで花の名前を聞いて選んでみるのも楽しいですね。
【お手入れ】
・下葉の処理をします。葉から水分が蒸発し黄色く変色しやすいので、アレンジに付いていた方が良い場合は残し、必要でなければ、花ばさみで葉の根元を切り落とします。その方が花に水が届きやすく元気な状態を保てます。
・茎の切り口は、通常の斜め切りで大丈夫です。
・ヒマワリやガーベラなどの様に、茎に白い毛(繊毛)がある花は茎が腐りやすいため、花瓶の水は浅水(3~5cm位)にし、できるだけ毎日水替えをしましょう。その際、茎の切り口が茶色になっていたりやわらかくなっていたら、固いところで切り戻しをします。そのつど切り戻しをした方が水揚げがよくなって長持ちします。
・お花がくたっとして水不足状態の時は、花瓶に生ける前に深水か湯上げの水揚げをおすすめします。
☆詳しくはMAGAZINE→「お花を長く楽しむための基本の水揚げ方法」をご覧ください。
【アレンジアイデア】
【生け方・飾り方】
●ヒマワリの選び方と花器
花びらや葉に張りがあり、頭がグラグラしていないものを選びましょう。茎が固く葉が黄色くなってない方が新鮮です。
ヒマワリは頭が重く、小さい花瓶に長いまま生けると倒れやすいため、重さ、安定感のある花器に生けましょう。
茎はどこを切っても大丈夫です。最初は長さをいかして生けても良いですし、花が花器の口元にのる位の長さにすると一輪挿しなどの小さな花瓶にも生けられます。
生ける時のコツとして…ヒマワリの花形は平面で中心が瞳のようなので、じっと見られている感じがしませんか!?ですので、あえて視線を外すように、色々な向きに角度を変えて飾ると自然な風合いができます。
☆飾り方について、詳しくはMAGAZINE→「花をより美しく見せる、花と花瓶のバランスのコツ」をご覧ください
〇一輪挿しで気軽に飾る
気軽に飾るなら一輪挿しがオススメです。明るく、華やかなヒマワリの花は、素朴な草花とも相性抜群。一輪挿しを幾つか用意して、品種違いのヒマワリたちが会話しているように生けて飾るとリズム感がでます。
〇空き瓶を利用する
ジャム瓶やお酒の瓶などは花瓶代わりにするのに最適です。口が狭いので、ヒマワリのような頭の大きい花を固定するには特に重宝します。
〇画家の絵を意識してアレンジしてみる
季節の草花を使って絵画風に見立ててみましょう。スモークツリーや摘みたてのハーブなどをわさっと一緒に。ヒマワリの向きも固定され、ボリューム感ある仕上がりになります。
ステップアップとして、幾つかの品種をミックスして生けると、より絵画風に近づくかもしれません。また、花器にこだわるのも良いでしょう。絵柄が入っているものや、陶器を使うなど素材を変えるだけでイメージが変わりますよ。
アレンジの閃きも多く与えてくれそうです。
先に述べたように、これからの時期花屋さんでは切花のヒマワリがたくさん並びます。
日本の各地のヒマワリ畑の最盛期はもう少し先ですが、まるで絵画のような美しさを私たちに見せてくれますよね。この花の魅力に惹かれた偉大な画家たちのように、色々なヒマワリに出会い、楽しんでください。
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