残暑が厳しい8月。旧暦では葉月になりますが、実際は葉の落ちる9月頃の意、秋の気配を感じられるのはあともう少しでしょうか。7月・8月では、暑い夏をしのぐ花飾りの提案をしてまいりましたが、そのシリーズも今回でラスト!視点を変えて、花を生ける器=フラワーベースが主役のお話しです。
たくさんの花がある季節は、花が主役となり得るので、生ける器は水が漏れないものであればなんでも大丈夫!といっても過言ではありませんが、その逆の季節だとしたら・・・発想も逆転、器を主役にして植物を飾るのも一つの案だと思います。
お気に入りのフラワーベースがあれば、一輪の花や一枚の葉だけでも空間が潤い、インテリアの一部として置くだけで楽しむことができるでしょう。
今回は、そんな願いをかなえてくれる、フラワーベースとアイデアをご紹介します。Kumpu一押しです!
左の写真は、革新的な花のスタイルを提案するパリのフラワーアーティスト、クリスチャン・トルチュがデザインした代表作「ディアボロ」。
スタイリッシュで美しいかたちと、表裏の中央部分にある円形のくぼみが、花止めの役割もはたしているので、少ない花でも生けやすく、無造作に挿してもさまになる、実用性も兼ね備えたデザインの逸品です。
通常の使い方の他、横にして真ん中のくぼみに花びらを浮かせたり、フルーツなどを盛り付けたり、小物入れに使うこともできます。
では、簡単な飾り方を、ご紹介していきましょう。
◆この時期におすすめのアイデア
(写真左から)
1.蔓性の植物や茎が曲がりやすい葉物(ここではハーブを使いました)をよくしならせた後、真ん中のくぼみに添わせながらくぐらせ1周します。短くなった葉物は上から挿して動きをつけましょう。これだけで、葉っぱ模様のフラワーベースに様変わり。爽やかでクールなモヒートグラスのようにも見えませんか。
2.強めのハーブは夏でも元気に成長します。たっぷりのハーブと草花を無造作にわさっといけて。避暑地の高原をイメージしてみました。
3.横にたおして、器のくぼみに季節のフルーツを盛り付けてみましょう。テーブルコーディネートにも最適です。
◆日常的な花飾りに!
近年、花のある暮らしが広まり、メジャーになってきたお花の定期便や、花屋で一目ぼれした花数本を購入した時など、花器の形状がサポートしてくれるのでバランスよく飾ることができます。
(写真左から)
・茎のしなる花などは、両サイドに生けて、ゆらゆら揺れるようにナチュラルな仕上がりに。
・花束を片側だけにストンと生ければスタイリッシュな雰囲気になります。
◆ボリュームたっぷりにも!
涼しくなると、花の種類も増えてきます。夏に抑え気味だった分、ちょっと贅沢に飾ってみるのも良いですね。
(写真左から)
・あと少しで、秋バラが楽しめる季節になります。2~3本位でもOKです。季節の草花と組み合わせシャンペトル風(田園風)に飾ってみましょう。
・冬になれば、春花が出始めます。空に向かって伸び伸びと生けてみましょう。花の種類をグルーピングして高低差で違いを見せると、その花の個性が際立ってきますよ。
ディアボロは誰もがアレンジ上手になれる魔法のフラワーベースかもしれません!
今回は、一つの花器の紹介となりましたが、お気に入りのフラワーベースを集めて、まるでギャラリーのように並べてみる…
今日はどれを使おうかしら?と花と会話しながら選んでみる…
日々の暮らしが今よりも楽しくなるきっかけになりますように☆
※kumpuお花の定期便では、「ディアボロ」がセットになった「グリーンスタイルコース」もございます。
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【クリスチャン・トルチュについて】
パリのフラワーアーティスト
フランス・ロワール地方生まれ。自然の素朴な魅力と力強さ、都会暮らしの感性を融合した革新的なスタイルは、「トルチュ・スタイル」と呼ばれ後世に引き継がれています。“Art de vivre”美的生活を提唱し、現在ではフラワーアーティストとしての活動にとどまらず、テーブルウエアやインテリア、ホームアクセサリーの分野でも精力的に活動しています。