春の花の中でもひときわ華やかさが際立つ花といえばラナンキュラス。このお花も球根植物になります。引き続き球根花特集vol.3でご紹介していきましょう。
薄紙のように繊細な花びらが幾重にも重なり、光と温度に反応して開く花姿がとても魅力的。一輪だけでも十分な存在感があります。種類にもよりますが、この花びら、100枚から200枚以上重なり合っているものもあるそうです。
寒さが一段と増すこの時期、一足早い春を感じさせてくれる切り花として、テーブルフラワーやブライダルブーケの主役となって活躍するお花。花屋さんでも比較的お手頃な価格で購入できますので、色々な種類を楽しんでみるのもいいですね。
【基本情報】
『ラナンキュラス』
分類: キンポウゲ科・キンポウゲ属
学名: Ranunculus asiaticus
和名: 花金鳳花(はなきんぽうげ)
英名: Ranunculus
原産地: 西アジア、ヨーロッパ東南部、地中海沿岸
日本の主な生産地:長野県、福岡県、香川県
近年は「日本産のプレミアムな切り花」として、北米や東南アジア等にも輸出されています。特に大輪のラナンキュラスは海外でもとても人気があり、高級ホテルやカジノなどの装飾に使われることが多く、海外では1輪数千円で取引されることもあるそうです。
花色:赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、紫など
●花名の由来
学名の「Ranunculus(ラナンキュラス)」は、ラテン語の「rana (カエル)」 を語源としています。この属の多くが、カエルのたくさんいるような湿地を好んで育つことや、葉っぱの形がカエルの足に似ていることが名前の由来のようです。
余談ですが、他のキンポウゲ属のメジャーなお花をあげてみると、アネモネ、クリスマスローズ、クレマチス、デルフィニューム、ニゲラなど。確かに葉っぱの形が似てますね。
●花言葉:「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「光輝を放つ」
シルクのような心地よい肌触りと鮮やかな色彩であることが、これらの花言葉の由来です。また、ギリシャ神話に出てくる「ラナンキュラス」という青年の悲恋の話にも通じます。親友のために自らの恋を諦め、悲運の生涯を閉じた傍らに咲いていたのがラナンキュラスの花なのでした。
【お手入れ方法】
・余分な葉は、手で優しくちぎり取ります。
・茎の切口は、真っ直ぐに切ります。茎が細く空洞になっているので、手早くスパッ!と切るのがポイントです。
・花瓶の水の量は、浅水(3~5cm)に保ち、こまめに水替えをしましょう。
・元気がないように見えたら、水不足かもしれません。生ける前に湯揚げという方法の水揚げをおすすめします。
(湯揚げの方法は、お花の話「お花を長く楽しむための基本の水揚げ方法」をご覧ください。)
・寒さに強く、暑さに弱いお花なので、なるべく涼しい場所に飾りお楽しみください。
【楽しみ方】
開花状況に合わせて切り戻しをしましょう。茎に対して花の重みが大きいお花なので、開花が進むにつれ重さが増し、茎が折れてしまうことも。最初は長く飾って、徐々に切って短くして、小さな花瓶に活け替えていくのがおすすめです。
a:同系色のラナンキュラスたちをメインに季節の草花と合わせて。
b : 小春日和のような暖かな色味の花たちを、花器「ディアボロ」に集めてみました。
c:春の花アネモネをポイントにグリーンを添えてテーブルフラワーに。
d:ブライダルブーケとしてもとても人気です。シックなカラーは大人の雰囲気つくりにぴったり。
e:花がたわわにさいてきたら、おもいきって茎を短く切り、一輪挿しにいけてみましょう。
f:数本の春の花と会話しているようにいけると楽しいですね。
d:一輪でもとても華やかさがある品種「シャルロット」は、装飾にもよく使われます。
次回は、これもラナンキュラスなの?と思うような楽しいラナンキュラスの品種をご紹介する予定です。