日本の暦では「啓蟄」。暖かな気候になりにつれ冬眠していた虫たちが穴から出てくるころ。
外の景色も柔らかな色合いになってきました。花壇も彩りを増し、その定番の花といえパンジー。似た花にビオラがありますが、一般的には花の大きさが5センチメートル以上のものをパンジー、それ以下のものをビオラと呼んで区別しているようです。
花壇などでよく見かけるものは茎が短く横に広がるようなイメージですが、10年ほど前より茎の長いパンジーが出始め、切り花としても人気になっています。
そこで、今月ご紹介するお花は、切花の「パンジー」です。春のブーケには欠かせないアイテムとなっています。
花びらのフリルが可憐なパンジーは繊細な印象がありますが、実はとても生命力が強いお花。
大抵は花が萎れるとそこで終わってしまいますが、パンジーは萎れたお花(1番花)を手で優しく摘んであげることで次の花(2番花)の蕾が上がってきて、一回り小さめの花が咲いてくれます。お手入れをすることで、数週間程楽しむことができるお花なのです☆
【基本情報】
『パンジー』
分類:スミレ科・スミレ属
学名:Viola
和名:三色菫
英名:Pansy
原産地:ヨーロッパ
日本の主な生産地:群馬県
日本には江戸時代末期にオランダから渡来し、花形が人の顔に似ていることから人面草(じんめんそう)、蝶が舞う姿にも似ていることから遊蝶花(ゆうちょうか)と呼ばれていたそうです。
花色:紫、青、赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、など
●花名の由来
パンジーの語源はフランス語の「パンセ(思想)」から。
そういえば、うつむいてなにか考えている人の顔のように見えますね。
●花言葉:「もの思い」「思い出」
花言葉も、まるでもの思いにふけるような花姿からついたものと思われます。
【お手入れ方法】
・水揚げは水切りにします。(水を張った容器の中で茎を切る)。
・茎が柔らかいのであまり強く握らず、花のすぐ下の茎は細いので、当たって折れない様に気をつけましょう。
・花瓶の水は適量(半分位)に。
・咲いていた花が少し傷み始めたら、花の付いている茎の根元から切って取り除くことで、次の蕾が咲きやすくなります。
【楽しみ方】
*1本の茎から枝分かれしていくつか花やつぼみがついているものが多く、茎の伸び方もそれぞれ個性的で表情があるので、あまり深く考えずに花瓶にポンと生けるだけでこなれた演出ができます。
*可愛らしい花姿のパンジーだけの花束もおすすめです。
*茎がやや柔らかいので、他の花と束ねるときなどは折れないように注意しましょう。
*グリーンや他の花をクッションにして使うと良いかもしれません。
*折れてしまったお花は、水中花にして楽しむことができます。
また、そのまま新聞紙などに花を裏面にして置いておくと、一日で押し花のようになります。
華奢なように見えて2番花まで楽しめる、切花としても日持ちのよい花です。
春のお花屋さんで見かけたら、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょう。