・花持ちの良い花材ですが、花より先に葉が散りやすいので、生ける際にはある程度の葉を落としてから生けましょう。
12月に入り、街中は煌びやかなクリスマスムードに☆ ウインドウディスプレイの大きなツリーやクリスマスリースを眺めるだけで、なんとなくそわそわ心躍る季節になりますね。
そろそろ、おうちでも植物で彩るクリスマス支度を始めてみませんか。定番アイテムといえば、ツリーやリース、最近ではスワッグも人気です。
造花やプリザーブド、ドライ素材のものなど、たくさんの種類がありますが、やはりおすすめなのはフレッシュな素材!生のモミの木や、杉、ヒバなどの針葉樹やユーカリなど、エバーグリーンを使ったものがおすすめです。
エバーグリーンとは一年中、葉を落とさない常緑樹のこと。四季を通して生き生きとした葉をつけることから、変わらぬ若々しさ、永遠の豊かさ、イエスキリストの永遠の命を表現するために、クリスマスの装飾としてよく使われています。
そこで今月は花屋さんで比較的買いやすいエバーグリーン(常緑樹)をご紹介します。特別なものを作らなくても、花瓶に挿すだけで、豊かな香りに癒されながら、素敵なクリスマスが訪れることでしょう。
『ヒムロスギ』
分類: ヒノキ科ヒノキ属
学名: Chamaecypraris pisifera cv. Squarrosa
和名: 姫榁杉/檜榁杉(ひむろすぎ)
英名: Himuro-sugi
原産地:日本
〇名前の由来
名前からは「氷室」を連想するかもしれませんが、ムロ(=ネズミサシ)の葉を小型にしたような葉を持つという意味あいで、漢字表記「姫榁」「檜榁」からも読み取れます。
〇特徴
銀色がかった緑の細かい葉がこんもりついた樹木です。葉っぱが密に生え触った感じがもこもこしてボリュームを出しやすく、リースやアレンジの土台としても使いやすい素材として人気ものです。
枝分かれしているところから切り分けて、1本を数本に増やせるのも便利。
『ブルーアイス』
分類: ヒノキ科 ホソイトスギ属
学名: Cupressus arizonica
和名: ブルーアイス
英名: Blue ice
原産地:北アメリカ
〇名前の由来
涼しげな咲き姿と、青緑色の葉が氷をまとっているように見えたため「ブルーアイス」と名付けられたようです。
〇特徴
メタリックブルーの葉が美しく、珊瑚のようなフォルムが特徴的。森林浴をしているような、爽やかな香りに癒されます。
アリゾナイトスギを園芸用に品種改良したもので、「コニファー」という総称で親しまれており、クリスマスツリーにもよく利用されています。
『ヒノキ(実付)』
分類: ヒノキ科 ヒノキ属
学名: Chamaecyparis obtusa
和名: 檜、桧、真木
英名: Japanese cypress、Hinoki cypress
原産地:日本
〇名前の由来
神事などでこの木をこすって火をおこしたことに由来して「火の木」。
神宮の建築材に使われることから「霊(ひ)の木」、最高のものを表し太陽を意味する「日」という字を使った「日の木」を由来とする諸説があります。
〇特徴
日本人には昔からなじみの深い樹木。一度はこの上品な香りに魅了されたことがあるのでは。(葉からは微香です)
形は羽状で平たく広がって見え、あられのようなコロンとした実が付きます。
このフォルムを生かして、リースやスワッグに動きを出したりアクセントを付けるのに最適です。
余談ですが、ヒノキの葉は、食べ物の「掻敷(かいしき)」としても使われています。殺菌及び防腐効果のある脂分が含まれ、細菌類に対する抗菌性が強いのが理由なのだそうです。
この他にも、まだまだあります。
モミの木、ブルーバード、ジュニパー、クジャクヒバ、ユーカリetc…
葉っぱの色がシルバーだったり、逆に黄金色だったり、飾る空間に合わせて好みの色味から選ぶのもよいですね。
〇お手入れ方法
・枝物なので、基本的に丈夫で水揚げも簡単です。
茎の切り口を斜めに切り、次にタテにハサミを入れて2~3cm割れれば十分です。
・花瓶の水は浅め(3~5cm)で構いません。
・冬場は乾燥しますので、霧吹きを毎日かけて水分を葉からも補給すると、より長持ちします
【簡単な飾り方】
エバーグリーンは、リースやスワッグ作りの素材として、定番になりつつありますが、もっと手軽に楽しんでみましょう。
合わせるお花や器をクリスマスカラーにするだけで、いつもよりちょっと特別な花飾りを楽しめます。松かさなど小物があれば、一緒に飾ってみるとよいですね。
上の写真は、kumpuからお届けしている定期便のお花を使った花飾りです。お花の種類に拘らす、色味を変えるだけでも、様々な雰囲気作りができると思います。
これからの時期、エバーグリーンに合わせるおすすめのお花は、バラはもちろん、ガーベラ、ラナンキュラス、アネモネなど春花、アマリリスなどいかがでしょうか。
プラスで実物、例えばヒペリカム、ノバラの実、ヘデラベリー、個人的にはナンキンハゼが好みです。
エバーグリーンは、水に浸かってなくても数週間は楽しめます。もちろん水分が蒸発していくので、ドライにはなっていきますがそれも味のひとつ。
左の写真は、ちょっとバージョンアップして、器に見立てて花を飾るスタイルです。
雪が積もった森の中にお花がぽつっと咲いているような、そんな真冬の景色をテーブルデコレーションにご提案。お部屋のコーナーに飾ってもよいですね。
次回はこの作り方をご紹介します!
もうすぐ師走。まだ紅葉で賑わう名所もありますが、次第に山々を彩った葉っぱたちは道に散り、今度は足元から街を彩ります。枯れ葉をさくさく踏み進み、所々に咲く寒椿の鮮やかなピンクに魅了され、季節の移り変わりにしみじみとしますね。
また、この季節は次第に日が短くなり、夕方になればすっかり真っ暗に……冬の訪れを感じます。
そして冬とともにやってくる一年の最後を彩るビックイベント☆クリスマス☆
街中は、イルミネーションで煌びやかになってきました。
kumpuでも昨年に引き続き「ナチュラル・クリスマス」のご提案をしたいと思います。グリーンをたっぷりとあしらい、針葉樹の澄んだ香りに心を落ち着かせながら過ごせる花飾り。
第一弾は、もの足りない位がちょうどいい、シンプルスワッグ(壁飾り)です。
様々なグリーンと木の実いっぱいやキラキラのオーナメントをたくさんつめ込んだリースやスワッグは楽しくハッピーな気持ちにさせてくれますが、実際作るとなると、材料を集めるだけでも大変ですよね。ご自宅で気軽に楽しむには、このくらいシンプルでも十分かもしれません。
クリスマスカラーを束ねるだけでも演出はできます。あとは、お好みのリボンなどを結んでオリジナル感をだしてみましょう。
🎄スワッグとは
ドイツ語で「壁飾り」の意味です。花束を逆さまにしたような形で、壁につるして飾ります。空間を彩るインテリアアイテムとしても人気です。
ヨーロッパでは魔除け・幸福を呼ぶアイテムとして、古くから親しまれてきました。
特にクリスマスシーズンには、街中で見かけることが多くなります。玄関に飾られるほか、部屋の壁や暖炉の回りに飾られ、華やかでエレガントにクリスマスの雰囲気を演出します。
シルエットは様々。
アーモンド型に作るのが一般的ですが、タテに細長いタイプ、扇形のように横に広がるタイプなど、決まりありません。飾る空間に合わせてお好みの形をアレンジしてみましょう。
【ガーランドのようなタテに細長いスタイル】
スタイリッシュな雰囲気に仕上がります。広めの空間に似合うかもしれません。長さを生かして、ガーランドの様にオーナメントを繋げていきましょう。花材と同じ色味のリボンを思い切って長めに垂らせば、モード風にもなります。(写真上)
・使用花材…ヒムロスギ、ブルーアイス、松かさ、コットン、ミニシルバーデージー、シャーリーポピー)
【ツリー型】
こちらは、実付のヒイラギとローズヒップのみを束ねたスワッグ。ヒイラギの葉の特徴を生かして束ねたら、偶然にもツリー型になりました。いくつか作ってモビールの様にゆらゆら吊るすのもよいですね。(写真上左)
・使用花材…ヒノキ実付、ローズヒップ
【扇形】
クリスマスカラーを意識して、もう少し花材をプラスして束ねてみました。長さのあるものから束ねていきますが、横にも広がる様に束ねて。ちょっとしたスペースに飾るのによいですね(写真上中央)
・使用花材…ヒムロスギ、ブルーアイス、グミノハ、ローズヒップ、ヤシャ
【フリースタイル】
シルバーグリーンだけをわさっと束ねて静寂なイメージに。香りを楽しみましょう。(写真上右)
・使用花材…ヒムロスギ、ブルーアイス、ササバユーカリ、ダスティミラーシラス、セイロンランティア
【スワッグの作り方】
<今回使用したもの>
・花材
ヒムロスギ、ブルーアイス、グミノハ、ローズヒップ、
ヤシャ
・資材
ワイヤー、輪ゴム、リボン、花ハサミ、クラフトハサミなど
とてもシンプルです。
基本的な手順です。
1.花材の下準備をします。
エアバーグリーンはイメージに合わせて長ければ、枝分かれ部分を切り分けて、ボリューム長さの調整をしましょう。
2.枝や茎の手元に当たる部分(大体10cm位)の葉を取り除きます。
3.枝の表裏を見極めて、できるだけ背になる部分が平らになるように、分けておくと束ねやすいです。
4.丈の長めのものから下に置き、それぞれの花材が良く見えるように、段々に重ねていきます。
5.時々束を逆さに持って、スワッグになった時のイメージを確認しながら束ねていきましょう。
6.味付けとなる実物を挿していきます。束を持っている手を少し緩めて、グリーンの隙間に入れて様子を見てみましょう。
7.全ての花材を束ねたら、全体のバランスを整えて、ワイヤーか輪ゴムで留めます。
8.壁に吊るすためにリボンか麻紐などを結び付けます。今回は、リボンの隙間にフックをかけて飾れるようにしました。
手元の茎は、切らずにそのまま不揃いでも構いませんし、カットして揃え、リボンなどでアレンジするとより装飾的になります。
☆補足…リボンの色・太さ・素材によって、ずいぶん印象が変わるので、作りたい雰囲気に合わせて準備しておくとよいですね。
結び方によっても印象が変わります。目立たせたくない時は固結びを、逆に目立たせたいときは蝶結びにするなど、フィニッシュが決め手になるかもしれません。
グリーンのベースは同じでも、色やオーナメントで様変わりします。こちらは、オリエンタルなお部屋に合わせてみました。ご自宅の空間に合わせて自由に飾ってみましょう。
今回使用した花材は、比較的お花屋さんでも購入しやすいものなので、これから作ってもクリスマスまでドライのまま飾って楽しんでいただけます。オーナメントを変えれば、お正月用まで飾れるスワッグ。
小ぶりなものから作ってみてもよいですね。
ぜひお試しください。
早いもので、もう11月。日本の暦七十二候では「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」といわれ、楓や蔦の葉が色づく頃を言い表しています。わかりやすくて、とても美しい名前ですね。
葉が色づくことをひとくちに「紅葉」と呼びますが、正確には、葉が赤く色づくことを「紅葉(こうよう)」、黄色に色づくことを「黄葉(こうよう、おうよう)」、褐色に色づくことは「褐葉(かつよう)」と呼ぶそうです。実は、こんなふうに分けられているんですね。
さて切花でも、気温が下がるにつれて色合いが深みをましてくる花があります。一年中見る者を魅了してやまない花の女王🌹「バラ」です。
そこで今月のお花は「秋のバラ」をご紹介します。
この時期は花蕾がゆっくり生長するため、より色深く、引き締まった花形になり、香りも豊かに。本来の花の美しさを堪能することができるのです。
【基本情報】
『バラ』
分類: バラ科バラ属
学名: Rosa
和名: 薔薇
英名: Rose
原産地:北半球の温帯(主にヨーロッパから日本)
日本の主な生産地:愛知県、静岡県
花色:花色はとにかく豊富でほぼすべての色があるともいわれています。
〇花名の由来
和名の「薔薇」は、とげのある木を表す「いばら(茨)」が転訛した(または略された)といわれます。
学名「Rosa(ローザ)」は、古代ギリシア語でバラを意味する「rhodon(ロドン)」やケルト語で赤色を意味する「rhodd(ロッド)」が語源であるといわれます。
〇バラ誕生の伝説とは
愛と美を司るギリシア神話の女神アプロディーテがキプロス島の海から生まれたとき、大地が「自分も神々と同じように美しいものを創造することができる」といって、バラの花を生み出したといわれます。
その様子は、ルネサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリ(1445~1510)の名画『ヴィーナスの誕生』に描かれています。
そのバラは、白バラの祖「ロサ・アルバ」にもっとも近い純白のオールドローズ「アルバ・セミプレナ」です。
〇世界中から愛されるバラは、国花も担っています。
イラク(赤いバラ)、オマーン(赤いバラ)、サウジアラビア、アルジェリア、モロッコ、イングランド、ブルガリア、ルクセンブルク、アメリカなどです。
〇花言葉は色によって様々
フラワーギフトで贈る時など、バラにメッセージを託すのもよいですね。
全般 愛・美
赤:あなたを愛しています、愛情、情熱、美
白:無邪気、清純、純潔、相思相愛、尊敬
ピンク:上品、しとやか、温かい心、満足
黄:献身、あなたに恋しています、嫉妬、友情
オレンジ:魅惑、信頼、絆
紫:誇り、上品、尊敬
青:夢が叶う、神の祝福
緑:穏やか
トゲ:不幸中の幸い
【バラの咲き方】
モダンローズの咲き方は、花形にもさまざまなバリエーションがあります。ここでは、お花屋さんでも見かけそうな花の形をご紹介します。お好みの形はどれでしょうか?
「高芯咲き」通称剣咲ともいわれ、つぼみから開花していくときに、花の中心部分が高くなる咲き方です。バラをイメージする時、真っ先に浮かんでくる形ではないでしょうか。(写真左「スィートアヴァランシェ」)
「カップ咲き」カップ状に丸みを帯びたフォルムの咲き方です。茎がしなる品種が多く、ナチュラルな雰囲気を出したい時に特におすすめです。ブライダルにも人気の形です。(写真左から2番目「イブピアッチェ」)
切花のバラは、香りのするものが少なくはなりましたが、このイブピアッチェは香りのあるバラで比較的手に入りやすく人気のバラです。
「ロゼット咲き」ロゼットとは、開いた花の中心に、小さな花弁が放射状に重なり合うもので、様々な形があります。こちらもガーデン風なイメージにぴったりです。(写真中央「ミルクオレンジ」)
「フリル咲き」波打つようなフリルが入る花びらが特徴的。可愛さとゴージャスなイメージを兼ね備えています。(写真右から2番目「オール4キュート」)
「ポンポン咲き」花芯から細い花弁が文字通りポンポンとした動きがあり、ガーデンローズに多く見られます。動きを出したり、ナチュラルなイメージには欠かせませんね。(写真右「グリーンアイス」「オリエンタルエクレール」)
【バラを長く楽しむために】
・花瓶に生ける前に、下準備をしましょう。
1.余分な葉っぱは取り除きます
2.茎の切り口はなるべく斜めに切り、時間があれば一度水揚げをすることをおすすめします。バラを新聞紙でくるみ、深水に約1~2時間つけておきます。
☆詳しくはMAGAZINEの「もっとバラを楽しむために知っておきたいこと」をご覧ください。
・香りのあるバラは、香りを発散することによりエネルギー消耗するため、日持ちが劣ります。持ちのいいバラや草花と一緒に飾ってみましょう。始めは香りを、それから持つバラや草花は長く飾って楽しむことができますよね。
・できれば朝晩2回の水換えをして、常に花瓶の水を新鮮な状態に保ちましょう。
・花は乾燥が大敵です。直射日光や暖房の効いた部屋は避けて、なるべく涼しいところに飾りましょう。
【赴くままに飾りましょう】
特に決まりはありません☆好みのバラと花瓶が準備できたら、自由に楽しんでみましょう。
・バラ数本と、季節のグリーンのみのお手軽アレンジ。紅葉ヒペリカムを使って季節感をだしました。この時、スプレーバラ(枝分かれして数輪ついてるタイプ)があると、ボリュームが出たり、花留めの役割もするので便利です。(写真左)
・同系色のバラを贅沢に束のままわさっと生けます。バラの頭を揃えて、同じ方向に生けるとモダンに仕上がります。(写真左から2番目)
・スプレーバラと草花のアレンジ。ガーデンローズの景色をそのままお部屋に取り込んで季節の息吹を感じましょう。(写真右から2番目)
・バラの色、グリーンの色を変えるだけでも季節の変化を表現できます。シルバーグリーン(ユーカリ)は秋から冬のイメージにぴったりな優れものです。(写真右)
ローズガーデンと異なり、切り花のバラは、様々な用途に対応できるように香りのないものが多くありますが、バラ本来の魅力は香りもその一つ。
甘い紅茶のような香りやスパイシーな香りなどバラの香りに酔いしれる秋の夜長☆なんて素敵ですよね。
このシーズンにたくさんのバラの中から、お好みの一輪を探してみませんか。(写真はパリのあるお店のショーウィンドウ)
kumpuの「産直のお花」では素敵なバラを作っていらっしゃる産地さんが参加されています。ぜひ、お立ち寄りください。
秋を代表する花といえば、今月のお花でもご紹介したダリアをはじめ、コスモス、ケイトウ、秋のバラ、秋の七草など華やかなものや可憐なお花を思い浮かべるかもしれません。
実はそれとは対照的に、この時期、個性的なフォルムの花たちも旬を迎え輸入されてきます。春を迎える南半球の花、ネイティブフラワー(別名ワイルドフラワー)です。
ネイティブフラワーとは、オーストラリアや南アフリカなど、南半球が原産地の植物の総称で、過酷な環境に耐えるために進化し続けた結果、どれも見た目が独創的ですが、可愛らしさを兼ね備えているものが特徴です。そして花持ちは抜群!そのままドライフラワーにもなるので、イベントが多くなるこれからの時期、リースやスワッグの花材としても大活躍します。
もう一つ!実りの秋は花の世界でも同じ。たわわに実のついた枝物が多く出始めています。
前回ご紹介した、ハロウィンのバスケットアレンジに使用している花材もネイティブフラワーや実物たちです。続きにはなりますが、この回では、花材にスポットをあて、比較的手に入りやすいユニークな花をほんの一部ですがご紹介しましょう。
秋の陽だまりのような色合いや旬な花をお部屋のインテリアとして飾るだけでも、秋のムードが高まりますよ
【基本情報】
『ピンクッション』(ネイティブフラワー)
分類: ヤマモガシ科レウコスペルマム属
学名: Leucospermum cordifolium
和名: ピンクッション
英名: Pincushion
原産地:南アフリカ
花色:キイロ、オレンジ、アカ
〇花名の由来
花形が、裁縫で使う針山に似ていることから、この名前がつけられました。また学名の「レウコスペルマム」は、ギリシャ語で「白い種子」という意味です。開花後につける種子が白いことに由来しています。
〇花言葉
どこでも成功を、艶やかな人、共栄、陽気、降り注ぐ愛
〇特徴
非常に花もちがよく、開花すると数週間咲き続けます。また花の構成が独特で、多数の花が集まって花の形を形成しています。ピンクションのピンのような細い部分は、花びらではなく1つの花なのです。このような花の構造を「頭状花序(とうじょうかじょ)」と呼びます。
〇お手入れの方法
・葉は先に茶色くなりやすく、水に浸かる下葉は取除きます。
・茎の切り口をハサミで十字に割り、水を吸いやすくしてから生けましょう。
【基本情報】
『ワックスフラワー』(ネイティブフラワー)
分類: フトモモ科カメラシウム属
学名: Chamelaucium uncinatum
和名: ワックスフラワー
英名: waxflower
原産地:オーストラリア
花色:白、赤、ピンク、薄紫 *最近は「染め」と呼ばれる、色を吸わせて着色させたものも流行っています。
〇花名の由来
花がワックスをかけたような艶があり、蝋の質感があることからワックスフラワーと呼ばれています。
〇花言葉
繊細、まだ気づかれない長所、気まぐれ、かわいらしさ
〇特徴
粒々のつぼみがはじけて梅の花に似た小さな花が無数に開花します。光沢がありロウがかかっているようなつやつやとした花びらが魅力的。また、香りも楽しめ、葉をちぎったり、茎の部分を折ったりすると、柑橘系の爽やかな香りが広がりますよ。
比較的個性的で大輪の花が多いネイティブフラワーの中では、小花で扱いやすく、切り分けてちょっと飾るのにも便利です。
〇お手入れの方法
・花はかわいらしいですが、枝ものなので、茎の切り口に割りを入れて水あげをします。細い枝は斜めにカットするだけでもかまいません。
・花持ちの良い花材ですが、花より先に葉が散りやすいので、生ける際にはある程度の葉を落としてから生けましょう。
【基本情報】
『シンフォリカルポス』
分類: スイカズラ科シンフォリカルポス属
学名: Symphoricarpos
和名: 雪晃木(セッコウボク)、シラタマヒョウタンボク
英名: Snowberry
原産地:北アメリカ
花色:白、ピンク、ワインレッド
〇花名の由来
シンフォリカルポスの英名は「Snowberry」、和名は「雪晃木(セッコウボク)」と呼ばれ、どちらもつやのある白い実を雪に例えて名前がついたようです。
〇花言葉
いつまでも献身的に
〇特徴
秋から冬にかけて、真珠くらいの大きさの白やピンクのかわいい実をつけるスイカズラ科の落葉低木。初夏にすずらんの形に似た小さな花が開花した後、秋に実をつけます。花より実の状態の方が人目を引くため、実の状態が切り花として流通しています。
そのかわいらしい花姿から、ブライダルブーケにも人気です。
〇お手入れ方法
枝ものなので、茎の切り口に切れ込みを入れると水の吸い上げがよくなります。どちらかと言うと実より葉が先に傷んできます。傷んだ葉や実をその都度取り去ると、長く美しさを保ちます。
【基本情報】
『ノバラの実』
分類: バラ科バラ属
学名: Rose multiflora
和名: 野茨(ノイバラ)
英名: Japanese rose
原産地:日本、朝鮮半島、中国
花色:緑からオレンジ、アカに
〇花名の由来
和名にもなっている「ノイバラ(野茨)」の名前は、「野のトゲ」が由来です。トゲのことを別名「茨」といい、茎にトゲを持ち野に生えることから名づけられました。
別名ノバラとも呼び親しまれ、日本のバラの代表的な原種です。
〇花言葉
上品な美しさ、純朴な愛、孤独、才能
〇特徴
小さくて可憐な白い花を咲かせる野生のバラです。
切花では花の流通はなく、赤い実をつけた枝物がこの時期人気です。
ノバラの枝をポンと花瓶に挿すだけでも秋のムードに。小分けにしたノバラの実を使ってリース作りなどもおすすめです。野性味にあふれたおしゃれなインテリアに。デコレーションのアイデアを考えるだけでも楽しい実物です。
〇お手入れ方法
・茎の切り口をハサミで十字に割り、水を吸いやすくしてから生けましょう。
【楽しみ方】
〇ピンクッションは、1本でも十分な存在感があります。合わせる花の種類を絞って、引き立ててくれる小花や実・葉物を選びましょう。もちろん、ネイティブフラワーとの相性は抜群です!
蔓性の葉物や、しなやかな枝物などを加えて秋の息吹を吹き込んでみましょう。(写真左)
〇花の頭が重いので、高さを出してアレンジするよりは、低めにして安定感をつくります。(写真左から2番目)
〇花瓶は、下に重心があるものを選びます。その時のシーズンイベントカラーに合せたりとコーディネートを楽しんでみてください。
今回はハロウィンを意識して、ピンクションがオレンジなので、花瓶は黒にしてみました。(写真右から2番目)
〇ネイティブフラワーは、殆どドライフラワーにもなるので、スワッグ(壁飾り)にしてしばらく楽しむこともできます。(写真右)
お花屋さんで、秋ごろに店頭に出回ることが増えるちょっとユニークな花たちをご紹介しました。
見かけたらぜひ手に取り、おうちでも楽しんでみてはいかがでしょう。
10月の半ば、二十四節気では寒露(かんろ)といい、野草に冷たい露がやどり、秋もいよいよ本番になることを告げています。また日本でもすっかり定番の行事になったハロウィンの月。街中はパンプキンカラーの装飾で賑わってきました。元々のハロウィンの起源は、古代ケルト民族が行っていた秋の収穫を祝うとともに悪霊を追い払う宗教儀式「サヴィン祭」であるといわれています。日本のお盆に似た風習のようです。
実りの秋♪収穫の秋♪花の世界でも様々な実物が出始めています。
植物の自然の美しさは、春夏秋冬様々な姿で私たちを魅了してくれますね。
前回は、花ではなく葉っぱの小物でお花を楽しむご提案をしましたが、今回はその続編です。使いやすい小ぶりのリーフプレートのご紹介と実物や野草・蔓を使って、シックなオトナのハロウィンコーディネート術です。
食卓にはもちろんですが、生花が無い時でも、花のある暮らしに季節感あるの景色を添えてくれることでしょう。
【ローレルリーフ】
すっきりしたローレル(月桂樹)の葉っぱの形をしたお皿。
アレンジで余った草花を置いたり、実物を並べたり、遊び心をくすぐられます。
お茶の時間に、お砂糖とスプーンを入れるのにちょうどいい大きさです。細長いものや、小さいものをちょっと入れるたいときにも便利。
【ディップディッシュ】
丸みを帯びた葉っぱの形をしたお皿。
小花を浮かべたり、実物を盛ったり、小さなアレンジもできます。
お菓子やお料理に添えるディップ入れとしても。
どれも葉脈まで入って、本物の葉っぱのよう。 葉っぱのみずみずしい感じが、ガラス質の釉薬で伝わってきます。
一枚一枚表情が異なり、オンリーワンの特別感も味会えますよ。
プレートの色は各種2色ずつ揃っています。前回と同様、「トマテ」は、名前のごとくトマトの葉っぱの色。青々とした緑はどんな色とでも相性がよいでしょう。
「フォレ」は深い緑で森林浴をしているかのようです。
そしてリビエラの定番色「ヴェール・フレ」は、新緑の意味通り、やわらかな若葉の色あいです。
【リーフプレートの楽しみ方】
〇テーブルコーディネートに最適
ハロウィンの象徴でもあるカボチャ。オレンジ色のカボチャを想像しますが、近年装飾用のカボチャは様々な色があります。今回は、秋の始まりをイメージして緑からオレンジへ移ろいゆく抑え目の色彩で。静寂なオトナのハロウィンを表現するため、アイボリーとこっくりとした深緑のカボチャをご用意しました。リーフプレートのグリーンとも調和がとれ、野草や実物たちを引き立ててくれます。
水がいらないお手軽なテーブルコーディネートのご提案です。
☆飾り方
<使用した花材(リーフプレートはお好みで)>
カボチャ(もちろんオレンジ色など手に入るもので十分です)、実物(今回はノバラ)、蔓系の葉物、キャンドルなどあれば
1.カボチャをウエーブ状に並べます。
2.蔓系の葉物をウエーブのラインに這うように添わせて、その上から実物をそえます。
3.今回ご紹介するリーフプレートを並べます。葉っぱの下から顔をだしたり、実物をおいたりして、植物と馴染ませましょう。
キャンドルやグラスなど他の小物もあれば並べても良いですね。
お庭で食事をしているような、自然な空気感が漂いませんか。頑張りすぎない自然との調和を意識したスタイリングです。
〇お花の装飾にプラスワンコーディネート
2つ目は、ハロウィンのバスケットアレンジメントにリーフプレートを落ち葉に見立てて空間を広げます。花瓶生けやアレンジメントだけをぽつんと飾るより、自然の世界観も広がってゆきます。
花材であるオレンジのピンクッションは、フォルムもユニークでこの時期人気なネイティブフラワー。アクセント付におすすめです。
☆バスケットアレンジメントの作り方
<使用した花材と資材>
ピンクッション、シンフォリカリポス、ノバラ、野草、カボチャ
バスケット、吸水性スポンジ
1.バスケットの半分くらいの大きさにカットした、吸水性スポンジ(水漏れ防止のためにビニール袋に入れます)を片方にセットします。
2.カボチャをバスケットの隙間に配置します。
3.ピンクッション→野草→実物の順に吸水性スポンジに挿していきましょう。
4.スポンジ隠しに、カボチャを置きます。
5.リースプレートを並べ、余った花材や落ちた実物を添えてみましょう。
*メイン花材が無くても(写真右下)…かぼちゃと野草・実物だけの野畑アレンジメントのできあがり。バスケットに無造作に詰めて楽しんでみましょう。
〇前回のリーフプレートとの相性も抜群。これからのシーズンイベンのテーブルコーディネートに活躍しそうなアイテムです。
【当記事のリーフプレートについて】
ポルトガルの食器COSTA NOVA/RIVIERAシリーズ。
前回の花器「ディアボロ」でもご紹介した、フランスのフラワーアーティストのクリスチャン・トルチュによるプロデュースです。 フランスとイタリアの間にある地中海のリゾート地、光あふれるリヴィエラの自然にインスパイアされて生まれました。
リヴィエラの自然の中にある色や形、
太陽の光をあびたのびやかな自然の美しさを、
クリスチャン・トルチュならではの感性で食器として表現しています。
当社のこちらサイトでも一部商品を取り扱っております。(楽天市場に移動します)
朝晩に秋の気配が深まる今日この頃。風が涼やかになってくると、金木犀の甘い香りが漂いはじめ、「ああ、もうこんな時期なんだ」と毎年気づく方も多いのではないでしょうか。
切花の世界では、豪華絢爛☆1本でも圧倒的な存在感を放つ秋の花「ダリア」が最盛期を迎えます。
育種技術の進歩によって豊富な品種を通年楽しめるようにもなったダリア。バラやチューリップと並んで最も花色の多い植物の地位に君臨しています。
けれども、もともとは秋の花。気温が下がる秋頃から日持ちも良くこっくりと色がのり、花市場でもたくさんの品種で賑わいを見せます。花色や咲き方の種類などが豊富で、ダリアと一言で言っても語り尽くせない程の魅力があるのです。
今回は、お花屋さんでもよくみかける品種を例にとり、「ダリア」の魅力にせまってみましょう。
【基本情報】
『ダリア』
分類: キク科テンジクボタン属
学名: Dahlia pinnata
和名: 天竺牡丹
英名: Dahlia
原産地:メキシコ、グアテマラ
日本の主な生産地:秋田県、長野県
花色:花色はとにかく豊富で青を除くほぼすべての色があるともいわれています。
(写真左:コーラルオレンジ)
〇花名の由来
古くからメキシコで栽培されていた歴史があり、国花でもあります。 18世紀にダリアの原種がメキシコからスペインに送られ、スウェーデンの植物学者アンドレアス・ダール(Anders Dahl)氏の名前に由来しているようです。
日本には江戸時代末期、オランダ人によってもたらされ、まるで牡丹のような花姿であることから和名では天竺牡丹(テンジクボタン)と呼ばれています。天竺はインドであり、初期にはインドからきた花であると思われていたそうです。
〇花言葉
華麗、気品、優雅、移り気、裏切り、
~エピソード~
フランスの軍人・政治家ナポレオンの后ジョゼフィーヌ(1763年~1814年)はダリアがとても好きで、珍しい品種を宮廷の庭に咲かせるのが自慢でした。
しかし、彼女は誰にもダリアを与えようとはせず、美しいダリアを独占していました。
ある日、どうしてもダリアが欲しかった侍女が愛人の貴族に頼んでダリアを盗み、自分の庭で見事な花を咲かせてしまいました。
それを知ったジョゼフィーヌはダリアへの興味を失ってしまったそうです。
移り気、裏切り、はこのエピソードからなのでしょう。
【品種と咲き方】
花色はもちろん、花びらの形は短いものから長くうねっているものまでbバラエティ豊か!一説によるとなんと園芸用品種も含め約3万種類以上もあるともいわれています。
大きさは、ピンポン玉くらいの小輪から、人の顔と変わらないくらい巨大輪のものなど、同じダリアとは思えないほど印象も大きく変わります。
その中でも切花で比較的手に入りやすく代表的な咲き方(花型)をご紹介しましょう。
・デコラ咲 八重咲で、いかにもダリア!と思わせる咲き方です。舟形の花弁が幾重にも重なった咲き方を指します。(写真左:ミッチャン)
フォーマルデコラ咲き、インフォーマルデコラ咲に分かれ、後者は、花弁がねじれているものです。(写真左から2番目:黒蝶)
・ボール咲(ポンポン咲)花全体が球状になっているものを指します。花の大きさが5センチ以上をボール咲きと呼び、5センチ以下のものをポンポン咲きと言います。(写真中央:エマ)
・スイレン咲 名前の通り、満開時のスイレンを思わせるように花弁が幅広く、丸みを帯びて咲く咲き方です。(写真右から2番目:ヴァニラ)
・カクタス咲 花弁が細く、花縁が曲がって筒状になる咲き方です。(写真右:熱唱)
・シングル咲、アネモネ咲 一重咲きの花型で、一見ダリアのイメージよりはヒマワリやマムに似ています。
とあるダリアの生産地にて・・・
ビニールハウスで温度管理され、繊細な花びらを傷つけないように、工夫がなされています。
ダリアは、つぼみで摘むと、きれいに咲くことができないため、花が開いた状態で産地から出荷されます。より長く楽しむには、7~8分咲きの花を選ぶとよいでしょう。
*左の写真は希少品種の「カフェオレ」
【ダリアの特徴とお手入れ方法】
日持ちがやや短いため、お手入れすることで、少しでも長持ちさせることができます。
・下葉を取り除く
茎に葉がついている場合は、枝分かれしている根元から切り落とし、花に水が行くようします。
・生ける前に切り戻しをする。
ダリアは茎が空洞になっているため、より水分を必要とします。生ける前に、水切りをして水揚げをしましょう。茎はなるべく斜めに切り断面積を増やします。
(*水切りとは…ボールなどに水を貯めその中で茎をきること。水圧によって水上がりがよくなります。)
・それでも元気がない場合は、湯上げをおすすめします。☆Kumpuホームページ→MAGAZINE→「お花を長く楽しむための基本の水揚げ法」を参考にしてみてください。
・花瓶の水は浅水で大丈夫
花瓶の大きさにもよりますが、水量は5cm前後~花器の中くらい程度にして、茎が水に触れる部分を少なくしましょう。
・霧吹きで水分補給
お肌と同様、空気が乾燥していると、花びらは水分を失い、ハリのない状態になります。花の裏側から霧吹きで水分補給をしてあげるのもおすすめです。
・傷んだ花びらはカットする
蕾から一番最初に開く花びら(外側)から萎れてきます。そうした時は花びらを抜かずにハサミで傷んだ部分をカットします。コツは花びらのつけ根を残すことです。手で引き抜くと、花が散ってしまうこともあるので気を付けましょう。
・できるだけ毎日水替えをする
どのお花にも共通していえることですね。
水替えのタイミングで、花の鮮度保持剤や塩素系漂白剤(1~2滴)を入れることで、より日持ちしやすくなります。
【ダリアの飾り方のコツ】
ダリアやヒマワリを生けるとき、花が正面ばかりむいてしまい、なんだかしっくりこない…と思ったことはありませんか?ちょっとしたコツで、解決できます!
〇花の向きや角度を変えてさまざまな顔を
花の特徴として、真っ直ぐな茎に対して、横向きに花が付いています。そのため、花顔だけみて生けると正面ばかり向いて、なんだか動きのない直立したアレンジに。あえて、顔の向きを揃えず、横や斜め、後ろ向きがあってもよいので自然な雰囲気にいけて奥行き感をだしてみましょう。
ダリアだけでも十分に美しいアレンジにできます。花の間に、小花やグリーンを少しだけ見せてブーケ風に。1輪ずつの繊細な色彩を際立たせています。(写真上段左)
自然に生えてるかのように、高低差をつけてダリアたちを躍らせてみるのも良いですね。(写真上段中央)
〇器は口の狭いもの
飾る花瓶次第で和風にも洋風にもアレンジできます。
数本だけいける場合は、口が狭く、重心が下にある花瓶がおすすめです。 筒状の器では、コロコロと動いて茎が定まらないダリアも、簡単に、生けたい向きに固定できます。(写真下段左)
〇季節の草花と合わせてナチュラルな装いに
その季節の枝ものや実物を、ダリアの口元に低くあしらいます。花留めにもなり、キッチンブーケ風にアレンジが可能です。(写真下段右から2番目)
季節の草花は、ダリアをナチュラルにする引き立て役に。秋のバラ、ケイトウ、コスモスなどを合わせてみませんか? ダリアも、野原で摘んだやさしい表情を見せてくれます。赤いナナカマドの実が秋の深まりを感じさせます。(写真下)
そろそろ、お花にとっても過ごしやすい季節。ダリアの魅力を探しに出かけませんんか。
◆飾り方で使用したダリアたち
<写真上段> かまくら(白)、純愛(薄いピンク)、みっちゃん(フューシャピンク)、朝日てまり(赤)、黒蝶(ボルドー)、ハミルトンジュニア(オレンジ)、ヴァニラ(白地に赤縞)
<写真下段>コーラルオレンジ(サンゴ)、エマ(赤)、幸せの花嫁(ピンク)、朝日てまり(赤)
9月も半ば、二十四節気では白露(はくろ)といい、夜間の気温が下がり、草花や木に朝露が宿り始める時期をさします。もうそこまで秋がきている気配がしますね。一足先に梨や栗の美味しそうなデザートに目移りしてしまいます☆
そして、秋になると紅葉も楽しみの一つ。字のごとく、こんなにも色ずく葉っぱを愛でる時期は他にはないでしょう。朝露で白く光る瑞々しい草花、紅葉…植物の自然の美しさ、力強さを葉っぱは表現してくれます。
そんな思いも込めて、今回は葉っぱの小物(お皿)でお花を楽しむ提案です。
食卓にはもちろんですが、生花が無い時でも、花のある暮らしに自然の景色を醸し出してくれます。
お部屋のインテリアとして、そのまま飾ってもよいですし、花を生けた後何か物足りなく感じたり、ヨーロッパ風にオシャレに着飾りたい・・・そんな願いをかなえてくれるかもしれません。
今回ご紹介するシリーズは、自然をオマージュした美しい形が特徴。葉っぱの形や大きなど何種類ありますが、今回は、使いやすく人気のある2品です。
【アルケミルリーフのお皿】(写真上段)
生花では初夏に咲くアルケミラ・モリス。その葉に似せた、やわらかいハート型をした葉っぱの形のお皿。
葉っぱのみずみずしい感じが、ガラス質の釉薬で伝わってきます。
色名「フォレ(森)」は見た目の通り深みのあるこっくりとした緑色。これからの季節、外でのティータイムも楽しそうです。食卓にはもちろん、秋色の装花の引き立て役になります。
【ハイドランジア(アジサイ)のお皿】(写真下段)
梅雨の時期に愛でる花、アジサイ。その葉っぱの特徴でもある、淵のぎざぎざがリアルに表現されています。
色は、明るい緑の「トマテ」(トマトの葉っぱの色)、濃い緑の「フォレ」。葉っぱの形とあいまって、森林浴をしているような気持ちになります。
形はユニークですが、しっかりものをのせられる大きさで2サイズあります。朝食プレートやお客様用に個包装のお菓子をのせてお出ししても、まるで葉っぱで包んだように見えてかわいらしく、おすすめです。
小物を置いてもさまになります。
【おすすめの使い方】
ここでは、お花とのコーディネートをいくつかご紹介します。
〇花器のコースターとして
MAGAZINEでもこれまで何点か掲載していますが、プラスワンコーディネートに最適です!リーフプレートを花瓶の下に敷くだけで、魔法がかかったように、森や草原にいるような自然な空気感が漂ってきます。
飾るお花の色味や、使う花器の素材によってプレートの色も変えてみましょう。
フォレは、重厚感あるものや秋色など濃い目の色味の花がおすすめ。
トマテは、若葉色にも似てるので、明るい色味やパステル調の花と相性がよいかもしれません。
〇ドライフラワーとフルーツのマリアージュアレンジメント
プレートの用途を思う存分利用してみましょう。生花でもよいですが、ドライフラワーの方が水落せず、フルーツとアレンジしやすいです。先ずは、フルーツから盛り付けていきましょう。
その隙間に、ドライフラワーを挿していきます。今が旬のグリーンアナベルなどアジサイを使うと、形が作りやすいですよ。
シンプルに、リーフプレートの色に合わせて、同系色に絞ったフルーツやハーブなどを添えるだけでも、食卓が彩りますね。
〇これからのシーズンイベントにお菓子の盛り付け
ケーキやクッキーなどを盛り付けて、お花とテーブルコーディネートはいかがでしょう。森の中にいるような優雅なひと時を演出できます。
【当記事のリーフプレートについて】
ポルトガルの食器COSTA NOVA/RIVIERAシリーズ。
前回の花器「ディアボロ」でもご紹介した、フランスのフラワーアーティストのクリスチャン・トルチュによるプロデュースです。 フランスとイタリアの間にある地中海のリゾート地、光あふれるリヴィエラの自然にインスパイアされて生まれました。
リヴィエラの自然の中にある色や形、
太陽の光をあびたのびやかな自然の美しさを、
クリスチャン・トルチュならではの感性で食器として表現しています。
他にもユニークな形のリーフプレートや食器がありますので、順次ご紹介いたします。お楽しみに☆
※当社のこちらサイトでも一部商品を取り扱っております。(楽天市場に移動します)
朝晩の暑さは和らぎ、鈴虫の音色が心地よく聞こえる9月に入りました。
植物の多くは、深い緑から次第に黄金色へ変化し、切花の世界でも秋色の花が人気になってきます。
そこで今月ご紹介する花は、ビロードのような質感とこっくりとした色合いが秋らしい「ケイトウ」です。
品種改良により、ニュアンスカラーのケイトウも増えていて、他の花とも合わせやすく、これからの時期サブ花として名脇役に躍り出ます。
気分によって品種や色を変えたり、組み合わせる草花を選ぶのを楽しんだり。
秋一番はケイトウで、部屋でも秋のおしゃれを楽しんでみましょう!
【基本情報】
『ケイトウ』
分類: ヒユ科ケイトウ属
学名: Celosia argentea
和名: 鶏頭(ケイトウ)、鶏冠花(ケイサンカ)、韓藍(カラアイ)
別名: セロシア
英名: Cockscomb
原産地:アジア、アフリカの熱帯地方
日本の主な生産地:愛知県
花色:赤、ピンク、オレンジ、黄色、グリーン、ブラウン、ニュアンスカラー
〇花名の由来
日本には奈良時代に中国を経由して伝わり、「韓藍(からあい)」という名前で万葉集にも詠まれています。1200年以上も前から親しまれている花なんですね。
漢字では「鶏頭」と書き、字のごとくニワトリのトサカに似た赤い花をつけることが名前の由来となっているようです。
英語での名前は「雄鶏のトサカ」という意味を持つ「Cockscomb」。
トサカに見えるのは、どこの国でも同じなんですね。
〇花言葉
「おしゃれ」「気取り」「風変わり」「色あせぬ恋」
華やかで、人目を引く形の花や、赤いトサカをつけた白い羽毛のニワトリが自分をアピールするようにおしゃれに見えるところから付けられた意味のようです。
「色あせぬ恋」という花言葉は、ケイトウが鮮やかな色をいつまでも保ち続けていることと、ドライフラワーにしても色が落ちないところからきていると言われています。
【ケイトウの花の構造】
茎の先端の花穂(トサカ)がとても目立ちますが、どのようなしくみになっているのでしょうか。
実は、この部分は花ではありません。
茎が扁平になって帯状に発達したもので、色づいている部分は花弁ではなく茎が変形した花序(かじょ)にあたり、その付け根付近に花が咲きます。
花はどこにあるのかというと…。
トサカの付け根付近の花のような?つぶつぶ。
それにしても、このようなユニークな形になった理由は何だったのでしょう。人間にとって理解不能な造形も植物にとっては必然のことだと思うと面白いですね。
【切花の種類】
ケイトウは、大きく分けて4つの種類があります。
「クルメケイトウ」
(写真左)
トサカ状の花が折り重なって球状になる種類です。漢字では久留米鶏頭と書き、九州の久留米地方に由来すると言われています。
表面は柔らかい毛がびっしり生えていてフェルト生地のように見えます。
切り花としてもっとも使われている種類です。ポップな色合いが多かったですが、ここ数年は、シックな色も増え、大人っぽいブーケやアレンジメントにも合わせやすい、秋の代表花になりました。
「トサカケイトウ」
(写真中央)
鶏頭の名の通りニワトリのトサカのような形の、ケイトウらしい種類。一枚の花序が扇形に広がっています。
よく出回るセッカケイトウやボンベイケイトウはこの仲間です。
こちらも、ブラウンやアンティークピンクなど微妙なニュアンスの色が美しい品種が次々と出ています。おしゃれ感を出すには一押しです。
「ノゲイトウ」
(写真右1)
ろうそくの火のような先の尖った形の花が特徴で「セロシア」という名前で売られていることが多いです。ワレモコウやフジバカマなど他の和花とも相性がよいし、シャンペトル(田園風スタイル)にも似合います。1輪挿しに飾っても風情があります。
「ウモウケイトウ」
羽毛状のふさふさした円錐状の花をつけます。赤、ピンク、オレンジ、黄など明るい色のものが多いです。
ボリュームを出したい時にもおすすめです。
【ケイトウの特徴とお手入れ方法】
ケイトウは比較的もちのよい花で、季節的にも真夏より少し涼しくなってくる時期なので扱いやすいですが、何点か気を付けることがあります。
・花より先に葉っぱが弱ってきます。垂れ下がっていたり、見ばえの悪い葉は早めに取り除きましょう。
・茎が腐りやすいので、花瓶の水は少なめ(浅水)にして、風通しよく飾りましょう。
・長く飾ったりドライにして置いておくとタネがパラパラ落ちることがありますが、それは花の部分からこぼれたもの。花瓶の下にクロスを敷いて、すぐ掃除できるようにするのも一つの案です。
・花房の部分に水分が付着するとカビやすいので、気をつけましょう。
【ケイトウの楽しみ方】
(使用花材:ケイトウ3種、アナベル、グミノハ、アイシーブルー、ヒョウタン)
1,秋の草花と合わせたシャンペトルスタイル
(写真左)
やや個性強めの形のケイトウに惹かれたら、他の花より穂物や枝物との組み合わせがおすすめです。その中にひっそり顔を出すような感じでけてみましょう。今回は、シルバー系の葉物と穂物が入手できましたので、シックな色合いに仕上がりました。
2,ケイトウだけのモダンスタイル
(写真右)
旬のケイトウは、花屋さんでも比較的お手頃な値段で購入できたりします。数種類のケイトウだけを用意して、グルーピングしたまま花瓶に生けてみましょう。色がカラフルでも、ひとつのかたまりで組み合わせるとその品種がより引き立ち楽しめます。
3、ケイトウのごちそうスタイル
(写真左)
深めのボールや器に水を張り、ケイトウやアジサイを料理の盛り付けのようにアレンジしてみます。それぞれの花材を、器から花の頭が出る高さに長さを切りそろえ、アジサイ→ケイトウ→グミノハの順に挿していきましょう。
おいしそうな卓上アレンジのできあがりです。
4,小物使いで遊び心あるスタイルに
(写真右、中央)
一輪差しには、小物をプラスしてみましょう。この時期、装飾用のヒョウタンを見かけます。フォルムだけでもユニークですが、ケイトウと会話しているかのように、並べたり転がしたりと遊んでみてください。ほっこりとした雰囲気作りにいかがでしょう。
5,簡単に束ねてスワッグに!
ドライフラワーにチャレンジしてみませんか
・2、3日花瓶で楽しんだら、状態が新鮮なうちに逆さまにしてぶら下げてよく乾燥させると、ドライフラワーとしても楽しめます。
・よく乾燥させないとカビてしまうので、風通しのいいところにぶら下げておきましょう。
・1~2週間以上乾かしてください。
日頃あまり注目されにくいケイトウですが、様々な種類や用途がある魅力的な花ですね。秋の草花やダリア、菊ともよく合います。季節の移ろいを、まずはケイトウで着飾りお楽しみください。
残暑が厳しい8月。旧暦では葉月になりますが、実際は葉の落ちる9月頃の意、秋の気配を感じられるのはあともう少しでしょうか。7月・8月では、暑い夏をしのぐ花飾りの提案をしてまいりましたが、そのシリーズも今回でラスト!視点を変えて、花を生ける器=フラワーベースが主役のお話しです。
たくさんの花がある季節は、花が主役となり得るので、生ける器は水が漏れないものであればなんでも大丈夫!といっても過言ではありませんが、その逆の季節だとしたら・・・発想も逆転、器を主役にして植物を飾るのも一つの案だと思います。
お気に入りのフラワーベースがあれば、一輪の花や一枚の葉だけでも空間が潤い、インテリアの一部として置くだけで楽しむことができるでしょう。
今回は、そんな願いをかなえてくれる、フラワーベースとアイデアをご紹介します。Kumpu一押しです!
左の写真は、革新的な花のスタイルを提案するパリのフラワーアーティスト、クリスチャン・トルチュがデザインした代表作「ディアボロ」。
スタイリッシュで美しいかたちと、表裏の中央部分にある円形のくぼみが、花止めの役割もはたしているので、少ない花でも生けやすく、無造作に挿してもさまになる、実用性も兼ね備えたデザインの逸品です。
通常の使い方の他、横にして真ん中のくぼみに花びらを浮かせたり、フルーツなどを盛り付けたり、小物入れに使うこともできます。
では、簡単な飾り方を、ご紹介していきましょう。
◆この時期におすすめのアイデア
(写真左から)
1.蔓性の植物や茎が曲がりやすい葉物(ここではハーブを使いました)をよくしならせた後、真ん中のくぼみに添わせながらくぐらせ1周します。短くなった葉物は上から挿して動きをつけましょう。これだけで、葉っぱ模様のフラワーベースに様変わり。爽やかでクールなモヒートグラスのようにも見えませんか。
2.強めのハーブは夏でも元気に成長します。たっぷりのハーブと草花を無造作にわさっといけて。避暑地の高原をイメージしてみました。
3.横にたおして、器のくぼみに季節のフルーツを盛り付けてみましょう。テーブルコーディネートにも最適です。
◆日常的な花飾りに!
近年、花のある暮らしが広まり、メジャーになってきたお花の定期便や、花屋で一目ぼれした花数本を購入した時など、花器の形状がサポートしてくれるのでバランスよく飾ることができます。
(写真左から)
・茎のしなる花などは、両サイドに生けて、ゆらゆら揺れるようにナチュラルな仕上がりに。
・花束を片側だけにストンと生ければスタイリッシュな雰囲気になります。
◆ボリュームたっぷりにも!
涼しくなると、花の種類も増えてきます。夏に抑え気味だった分、ちょっと贅沢に飾ってみるのも良いですね。
(写真左から)
・あと少しで、秋バラが楽しめる季節になります。2~3本位でもOKです。季節の草花と組み合わせシャンペトル風(田園風)に飾ってみましょう。
・冬になれば、春花が出始めます。空に向かって伸び伸びと生けてみましょう。花の種類をグルーピングして高低差で違いを見せると、その花の個性が際立ってきますよ。
ディアボロは誰もがアレンジ上手になれる魔法のフラワーベースかもしれません!
今回は、一つの花器の紹介となりましたが、お気に入りのフラワーベースを集めて、まるでギャラリーのように並べてみる…
今日はどれを使おうかしら?と花と会話しながら選んでみる…
日々の暮らしが今よりも楽しくなるきっかけになりますように☆
※kumpuお花の定期便では、「ディアボロ」がセットになった「グリーンスタイルコース」もございます。
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【クリスチャン・トルチュについて】
パリのフラワーアーティスト
フランス・ロワール地方生まれ。自然の素朴な魅力と力強さ、都会暮らしの感性を融合した革新的なスタイルは、「トルチュ・スタイル」と呼ばれ後世に引き継がれています。“Art de vivre”美的生活を提唱し、現在ではフラワーアーティストとしての活動にとどまらず、テーブルウエアやインテリア、ホームアクセサリーの分野でも精力的に活動しています。
8月に入り、流通する花の種類が少なくなる季節の中、生き生きとしたお花を咲かせてくれる夏の花たち。前月からお話している暑い夏だからこそ楽しめる花や飾り方はまだまだあります。今回も引き続きお話ししていきましょう。
ご紹介する花は「クルクマ」です。花姿がハスの花に似ていることから、お盆時期にも人気の花。欧米では、Siam Tulip 「シャム(タイの旧名)のチューリップ」やSummer Tulip「夏のチューリップ」とも呼ばれています。少し葉や形がチューリップに似ていますよね。
この時期ブーケやアレンジメントに活躍するトロピカルな雰囲気の植物です。南国系の花は原色やカラフルな色味が多いですが、クルクマは色は控えめ、茎がスッと伸びてクールな佇まいが特徴的です。暑いシーズンしか出回らない希少な花を、シンプルに飾ってみませんか。
【基本情報】
『クルクマ』
分類: ショウガ科ウコン属
学名: Curcuma alismatifolia
和名: クルクマ・アリスマティフォリア
別名: クルクマ・シャローム、鬱金(ウコン)
英名: Siam tulip
原産地:熱帯アジア(タイ北部・ラオス・カンボジア等)
日本の主な生産地:静岡県、福岡県、鹿児島県
花色:白、ピンク濃淡、赤、グリーンなど
〇花名の由来
属名(ウコン属)の学名「Curcuma(クルクマ)」は、アラビア語の「kurkum(黄色)」が語源となり、根茎が黄色い染料の原料として使われたことに由来するといわれます。漢方薬や調味料としても有名な『ウコン』
実はクルクマはウコンと同じ仲間なのです。
〇花言葉
「あなたの姿に酔いしれる」
上品なハスにも似た幻想的なシルエットのクルクマ。その花姿にちなむといわれます。
「忍耐」「乙女の香り」
【クルクマの花の構造】
上に伸びるように折り重なり、まるでトーチのようにも見える部分が花のように考えられますが、実は違います。
色づいているのは葉が変化した苞葉(つぼみを包んでいた葉)です。本当のお花は・・・・この包葉のなかに小さな小さな薄紫色の花を咲かせます。ビオラのような可愛いらしい花ですよね。
これこそがクルクマの花にあたるものです。
とても小さくて目立たない上に花期も短いので、花が咲いていることに気付かない人も多いでしょう。
ぜひ、見つけてみてください。
【切花の種類】
切花として流通しているクルクマは、花の部分(苞)が7~10cmくらいあるものから、3~5cm程度のミニサイズがあります。色もグリーンもあれば、白やピンク濃淡と豊富、さらには、グラデーションや縞模様があったりと、エキゾチックで魅力的!花名もタイ語に絡めたユニークなものがありますよ。
〇主な品種
クルクマ・シャロームは、花が大きく花びらの先が尖っているので存在感があります。
クルクマ・ペティオラータは、シャロームに比べて花びらが肉厚で、花びらの先端は丸みを帯びています。
クルクマ・ロンガは、カレーに使用することで有名なターメリック(ウコン)のことです。
〇比較的購入しやすい品種
写真上左から
バンコクスプリーム(ピンク)、シャロームホワイト(白)、エメラルドチョコゼブラ(グリーン)など
【お手入れ方法】
できれば毎日霧吹きで水分を与え保湿しましょう。クルクマは熱帯アジアの多湿な地域の植物になるため、花に湿気を持たせることが効果的です。また、表面の乾燥を防ぐという意味もあります。
切り口は斜めにカットしましょう。水替えと同時に切り口を新しくする切り戻しを行うことで、より長持ちを期待できます。
切り花を生ける際の基本となりますが、こまめに水替えを行いましょう。水に浸かっている茎の部分は洗い流し、花瓶は食器用洗剤で洗って清潔な状態で保ちます。特に夏場は水が腐りやすくなるので、毎日の水替えをおすすめします。難しい場合は切花延命剤や漂白剤を1滴使うのも効果的です。
【遊び心のある飾り方】
真直ぐに伸びた茎の先に、何層にも重なった特徴あるフォルムをあらゆる角度から楽しんでみましょう。
横からの姿も美しいので、高さを活かしてシックなスタイルはいかがでしょう。
または、花びらのような包葉がロゼット状に広がっているので真上からの眺めも美しく、花束やお花の正面の顔を活かしたアレンジにも向いています。
〇参考例(写真上左から)
・クルクマ数本を丈の長さをいかして、そのままストンと花瓶に生けて飾ります。ここはあえて他の草花をミックスせずシンプルに!唯一入れるならばポイントになる花を。今回はピンクのカライトソウに出会えたのでアクセントにたらしてみました。
・1本でもインパクトのあるグリーンのエメラルドチョコゼブラ。足元にフューシャピンクのリボンをクロスして着飾ってみました。こうした小物使いだけでも、夏の花飾りを盛り上げてくれますよ。
・ハスやスイレンをイメージして花瓶の中に表現してみました。涼を感じる簡単な組み合わせはクリアガラス+水ですね。
・自然素材のカゴバックにクルクマをしのばせて、夏っぽい雰囲気に。
クルクマはお花が少なくなる暑い時期に、艶やかなお花を咲かせます。高温多湿を好み比較的日持ちもよいので、日本の夏の気候にも合う花です。楽しみ方も多数!ぜひ今年の夏はクルクマでクールシックな雰囲気作りをしてみませんか。