メタリックブルーの葉が美しく、珊瑚のようなフォルムが特徴的。森林浴をしているような、爽やかな香りに癒されます。
アリゾナイトスギを園芸用に品種改良したもので、「コニファー」という総称で親しまれており、クリスマスツリーにもよく利用されています。
球根花シリーズ、続いては「ヒヤシンス」です。
幼い頃学校で水耕栽培の勉強として育てた思い出がある方もいらっしゃるのでは。
水栽培が容易で、すらりと伸びた白い根や、透明な容器とマッチした全体の美しさはヒアシンスならではのものです。オトナになって、改めてその魅力を知り、インテリアの一部として飾れる人気なお花になりつつあります。
そして甘く爽やな香りも魅力のひとつ。お部屋にお花の香りがほんのりとするだけで和みますよね。ヒヤシンスは、小さな花一つ一つにしっかりと芳香があるので、取れてしまった花も拾って飾っておくと、また香りを楽しめます。
いい香りはいい気を運んできてくれるので、人が集まるリビングや玄関やトイレなどに飾ってみてはいかがでしょう☆
【基本情報】
『ヒヤシンス』
分類: キジカクシ科・ヒヤシンス属
学名: Hyacinthus orientalis
和名: 夜香蘭、風信子、飛信子
英名: Hyacinth
原産地: 地中海東部沿岸(ギリシャ、シリア、トルコなど)
花色:白、ピンク、赤、青、紫、黄
●花名の由来
属名の学名「Hyacinthus(ヒヤシンサス)」は、ギリシア神話の美少年ヒュアキントス(Hyakinthos)の名前に由来します。
●花言葉
全般:スポーツ・ゲーム、悲しみを超えた愛紫:悲しみ
青:変わらぬ愛
白:控えめな愛らしさ
ピンク:淑やかな可愛らしさ
赤:嫉妬
黄色:あなたとなら幸せ
♠花名や花言葉にまつわるギリシア神話を紐解いてみましょう。
美少年ヒュアキントスは、太陽神アポロンと西風の神ゼピュロスに愛されていました。ヒュアキントスは移り気な西風の神ゼピュロスよりも太陽神アポロンに心ひかれていました。
ある日、ヒュアキントスとアポロンが円盤投げをしていると、その親しげな様子を見たゼピュロスが嫉妬して意地悪な風を起こします。すると円盤の軌道が変わり、ヒュアキントスの額に円盤があたってしまいます。そして大量の血を流して死んでしまったヒュアキントスのその血から紫のヒヤシンスの花が咲いたといわれます。
太陽神アポロンがこの花を見て「アイ、アイ(悲し、悲し)」と嘆いたことから、ヒヤシンスは悲しみのシンボルといわれるようになりました。
※ 血がこぼれて花になったという言い伝えには、他にアネモネの美少年アドニス(ギリシア神話)の伝説があります。
ギリシア神話は悲劇が多いですが、花はいつも心を救ってくれる存在になっているような気がしてなりません。
【お手入れ方法】
<切り花の場合>
・ヒヤシンスは球根から何枚もの葉が重なり合って生えています。いきなり茎をたくさん切ると、葉っぱが全部取れてしまいます。最初は茎を数ミリカットして生けて、葉っぱ付きのヒヤシンスを楽しみましょう。白い部分を切らないほうが日持ちもよくなります。
・花瓶の水は、チューリップ同様に浅めにします。
・茎の切り口はぬるっとしているのと、切り口付近に泥がついていることがあるので、水が汚れやすいです。生ける前に、水洗いをして、こまめに水替えをしましょう。
<球根付きの水栽培の場合>
・花瓶の水は、根が浸かる位の量で構いません。
球根まで浸かってしまうと、腐りやすくなりますので気を付けましょう。
・暖かい室内で飾ると、ぐ~んと茎が伸びて開花し、花の重みで垂れてしまう場合があります。その時は球根から切って、低めの器に飾り直す方がおすすめです。
☆観察記録
左写真A…鉢物から土を落とした直後の芽出し球根
写真B…仕立ててから約2週間後の成長した様子。ピンクは1球から2本咲きました。
(鉢物から水栽培用にする仕立て方は、インスタグラムでご紹介します)
【楽しみ方】
・ヒヤシンスは水分たっぷりで重量がある花です。そして伸びます!花瓶の丈が低すぎると、花の重みに茎が耐えられず折れてしまうので、花瓶選びもポイントのひとつです。
少しずつ茎を切り戻して、長さを調整していくと長く楽しむことができます。
①花が全部開いてきたら、短くして花瓶のフチに花を支えてもらう要領で生けると、柔らかい茎が折れるのを防ぐことができます。
その他に、季節の草花と一緒に生けることで、支え合い折れにくくなります。
②こぼれ落ちた花たちは、こうしてお皿に飾り香りを楽しむのもいいですね。
③芽出し球根の中でもメジャーな「ムスカリ」。パープルのやさしい色合いは、ヒヤシンスとも相性がよいので、ストンとした器に入れるだけで春のオブジェに仕上がります。
④土栽培のままお部屋に取り込むこともできます。ちょっとおしゃれなグラスに植え替えたり、鉢の回りをモスなどで加工するだけで、インテリアの一部として素敵に飾ることができますよ。
⑤鉢カバーを土っぽい自然な素材に植え替えると、お部屋の中でも小さなガーデニングコーナーに様変わり。
水栽培、土栽培、生花と、いろいろな形で飾ることができるヒヤシンス。
今年はぜひ手に取り、好きなスタイルで楽しんでみてはいかがでしょう。
年が明け、暦の上では大寒に入りました。春がひときわ待ち遠しく感じられますね。今年も季節と共に花を愛でるお話をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
昨年のMagazineでは「花」そのものにフォーカスし、その魅力を知っていただけるよう、月前半の回では旬の切り花一種を紹介してまいりました。今年は、もっともっと切り花を知っていただくために、コンスタントにその月の旬なお花たちの話をしてくいく予定です。
お花と向き合い”ありのままの姿”を知ることが、花とのつきあい=花のある暮らしに繋がることを願って☆
早速ですが、今月は球根花シリーズです。球根植物とは、茎や根の一部が変化した部分に栄養を蓄えて、毎年同じ季節に繰り返し花を咲かせる多年草のこと。
1月は一段と寒さが厳しくなる時期ですが、花屋さんの店頭では春を感じるお花が彩り始めています。その多くは球根花でもあるのです。
春に咲くガーデニングの花たちが、切り花の世界では一足早く冬から春先にかけてが見頃になります。近年では、球根がついた状態で購入できる花もあり、そのまま飾るスタイルも人気のようです。花をナチュラルに楽しむ…あたたかな春がそっとやってくるかもしれませんね。
トップバッターは世界中で親しまれている花「チューリップ」です。
【基本情報】
『チューリップ』
分類: ユリ科・チューリップ属
学名: Tulipa gesneriana
和名: 鬱金香
英名: tulip
原産地: トルコ
日本の主な生産地: 富山県・新潟県
花色:花色はとにかく豊富で青を除くほぼすべての色があるともいわれています。
●花名の由来
語源は、原産地のトルコ語でターバンを意味する「Tulipan(チュルバン)」からきています。花弁が重なり合うように咲く姿が ターバンに似ていますよね。
●花言葉:「思いやり」「名声」「愛の告白」
チューリップの花言葉の由来には、あるオランダの物語があります。
三人の騎士が美しい娘に求愛し、彼らはそれぞれ自分を選べば王冠(名声)、剣(強さ)、財産(資産)を彼女に与えようと言いました。一人を選べば残りの二人を不幸にしてしまうと思った娘は、女神フローラに頼みチューリップに姿を変えました。三人の騎士はそのチューリップを大切に育てたということです。
この物語から、チューリップの花は王冠を、葉は剣を、そして球根は黄金(財産)を表しているといわれています。
スッと伸びた愛らしい姿や花言葉からも、この時期、特別なシーンの贈り物にもおすすめですね。
【お手入れ方法】
チューリップは、なにかの生き物のように、伸びたり動いたり花びらが開閉したりと変化します。葉は肉厚で水分を多く含み蒸発しやすく、吸水力が強いお花であることを念頭にお手入れしましょう。
・水に浸かる余分な葉は、取り除きましょう。(写真右)
・茎を切るときは、切口を斜めに切ります。
・花瓶の水の量は、浅水(3~5cm)にし多くても半分程度にしましょう。茎が水に浸かりすぎると痛む原因にもなります。こまめに水替えをしましょう。
・光と温度に敏感に反応する性質があるので、太陽の当たる窓際や暖房のきいた部屋に置くと一気に開きます。長く楽しみたい場合は、気温が低めのところをおすすめします。
【楽しみ方】
a:贅沢に束ごとたっぷりと生ける。
表情豊かなチューリップたちを観察してみましょう。
b : 一輪と向き合う。
ラインを生かして、器にそって寝かせていけてみます。
c:数本と春の花をそえて。
スイートピーなど相性がよいお花とリズミカルに挿していきます。
d:器選びで世界観を作る。
器の形、素材などにこだわり、インテリアの一部として飾ってみましょう。
チューリップは生けてからも自由に動いたり伸びたりするので、バランスが崩れてきたら切り戻したり花瓶を変えたりと、少し手直ししながらお楽しみください。
早いもので12月も折り返し、来週は一年の最後を彩るイベント🎄クリスマス🎄ですね。
そろそろ準備は整いましたか?
ちょっとしたアイテムを飾るだけでムード作りはできますが、やはりおすすめは植物の力をいただくこと。そこで、引き続き「ナチュラル・クリスマス」のご提案です。
主役は前回ご紹介したエバーグリーン。リースやスワッグ作りには欠かせませんが、もっと気軽に楽しむことができる、グリーンを器に見立てて花を飾るスタイルです。お花との境目が無いので、より自然の情景に近づきます。
テーブルにポンと置くだけでも、クリスマスムードに☆
何度か紹介しているリーフプレートを使い、お菓子や実物などを盛り付けて一緒に飾ると、テーブルコーディネートに一体感が出て、食卓がワンランクアップします。森の中にいるような澄んだ香りのする針葉樹をあしらうだけで、そこにはクリスマスの世界が広がるでしょう。
長く飾ることができますので、その後はお花を入れ替えて、グリーンの香りに心を落ち着かせながら過ぎゆく2022年を振り返るのもよいですね。
【イメージ】
シンプルな花瓶をエバーグリーンに衣替えします。
用意する器は、円筒のガラス瓶などがおすすめです。できれば、ストンとシンプルなお茶缶のような形が作りやすいです。その上に、エバーグリーンを巻いていく手法です。
【アレンジ例】
器がグリーンなので、飾るお花はどんなものでも似合います。
・お花屋さんで定番のバラやガーベラをピンク系でまとめてみました。(写真左)
・クリスマスの花といえば!このアマリリス。高価ではありますが、華やかな雰囲気作りにとてもおすすめのお花です。グリーンを横広く敷き詰め、装飾用の姫リンゴや松ぼっくり、星形のスターアニスなどの実物を転がせばナチュラルテーブルコーディネートの出来上がりです。(写真中央)
・器に生ける花は、生花以外にドライフラワーやコットンなどの素材も馴染みます。水がいらないので、手間いらず&長い間楽しめますよ。(写真右)
【用意するもの】
●今回使用した花材
ヒムロスギ、ブルーアイス、実付ヒノキ
●資材
リースワイヤー(リボンや麻紐などでも構いません)
輪ゴム、花ハサミ、クラフトハサミなど、両面テープ、筒形の器
とてもシンプルです。
【基本的な作り方】
1.下準備をします。
器に両面テープを4本前後貼ります。(写真①)
グリーンは、器の長さに対して約1.2~3倍の長さに切り分けます。それ以上短いのは、後挿し用として残しておきましょう。
2.両面テープを剝がしながら、グリーンを置いていきます。上向き下向きとランダムに重ねて構いません。片手(ここでは左)でしっかりもっていてください。(写真②③)
3.一周したら、輪ゴムで仮止めをします。(写真④)
4.隙間があいて、中の器が見えるところは、余りのグリーンを輪ゴムにくぐらせ埋めていきます。(写真⑤)
5.ワイヤーで上から下、下から上とクロスしながら巻いていきます。この時の巻く力加減がポイントで、あまり強く巻きすぎるとグリーンが潰れてしまい、逆に緩すぎると落ちてきてしまうので、ふんわり感を大切に程よく巻いていきましょう。(写真⑥⑦)
6.上部と底を見て、固い枝がでている箇所は切ります。(写真⑧)
葉っぱが裾広がりになっていたほうが、自然な風合いで安定感もでます。
7. 整えて出来上がりです。(写真⑨⑩)
☆ベースができたら、動きのあるグリーン(例えばユーカリ)や実物を差し込んで加えたり、スターアニスなどはワイヤリングして留めるか、グルーガンで張り付けて装飾すると、よりスペシャル感がある器ができます。
☆ベースを巻くワイヤーを、麻紐やリボンなどに変更して装飾するのもおすすめです。
8.器の中に水を入れ、花を生けましょう。その時、使用したグリーンも一緒に挿すとより一体感がでます。
●お手入れ方法…乾燥をさけるために、毎日器に霧吹きをかけてあげると、より長持ちします。
3回連続でお届けしたナチュラルクリスマスのご提案、いかがでしたでしょうか。お花のある暮らしを楽しむヒントになれば幸いです。
ぜひ、心地よいグリーンの香りに包まれて幸せなひと時をお過ごしください☆
※冒頭でご紹介したリーフ型のお皿の一部を、kumpuの「お花のための道具」でも販売を始めました。
12月に入り、街中は煌びやかなクリスマスムードに☆ ウインドウディスプレイの大きなツリーやクリスマスリースを眺めるだけで、なんとなくそわそわ心躍る季節になりますね。
そろそろ、おうちでも植物で彩るクリスマス支度を始めてみませんか。定番アイテムといえば、ツリーやリース、最近ではスワッグも人気です。
造花やプリザーブド、ドライ素材のものなど、たくさんの種類がありますが、やはりおすすめなのはフレッシュな素材!生のモミの木や、杉、ヒバなどの針葉樹やユーカリなど、エバーグリーンを使ったものがおすすめです。
エバーグリーンとは一年中、葉を落とさない常緑樹のこと。四季を通して生き生きとした葉をつけることから、変わらぬ若々しさ、永遠の豊かさ、イエスキリストの永遠の命を表現するために、クリスマスの装飾としてよく使われています。
そこで今月は花屋さんで比較的買いやすいエバーグリーン(常緑樹)をご紹介します。特別なものを作らなくても、花瓶に挿すだけで、豊かな香りに癒されながら、素敵なクリスマスが訪れることでしょう。
『ヒムロスギ』
分類: ヒノキ科ヒノキ属
学名: Chamaecypraris pisifera cv. Squarrosa
和名: 姫榁杉/檜榁杉(ひむろすぎ)
英名: Himuro-sugi
原産地:日本
〇名前の由来
名前からは「氷室」を連想するかもしれませんが、ムロ(=ネズミサシ)の葉を小型にしたような葉を持つという意味あいで、漢字表記「姫榁」「檜榁」からも読み取れます。
〇特徴
銀色がかった緑の細かい葉がこんもりついた樹木です。葉っぱが密に生え触った感じがもこもこしてボリュームを出しやすく、リースやアレンジの土台としても使いやすい素材として人気ものです。
枝分かれしているところから切り分けて、1本を数本に増やせるのも便利。
『ブルーアイス』
分類: ヒノキ科 ホソイトスギ属
学名: Cupressus arizonica
和名: ブルーアイス
英名: Blue ice
原産地:北アメリカ
〇名前の由来
涼しげな咲き姿と、青緑色の葉が氷をまとっているように見えたため「ブルーアイス」と名付けられたようです。
〇特徴
メタリックブルーの葉が美しく、珊瑚のようなフォルムが特徴的。森林浴をしているような、爽やかな香りに癒されます。
アリゾナイトスギを園芸用に品種改良したもので、「コニファー」という総称で親しまれており、クリスマスツリーにもよく利用されています。
『ヒノキ(実付)』
分類: ヒノキ科 ヒノキ属
学名: Chamaecyparis obtusa
和名: 檜、桧、真木
英名: Japanese cypress、Hinoki cypress
原産地:日本
〇名前の由来
神事などでこの木をこすって火をおこしたことに由来して「火の木」。
神宮の建築材に使われることから「霊(ひ)の木」、最高のものを表し太陽を意味する「日」という字を使った「日の木」を由来とする諸説があります。
〇特徴
日本人には昔からなじみの深い樹木。一度はこの上品な香りに魅了されたことがあるのでは。(葉からは微香です)
形は羽状で平たく広がって見え、あられのようなコロンとした実が付きます。
このフォルムを生かして、リースやスワッグに動きを出したりアクセントを付けるのに最適です。
余談ですが、ヒノキの葉は、食べ物の「掻敷(かいしき)」としても使われています。殺菌及び防腐効果のある脂分が含まれ、細菌類に対する抗菌性が強いのが理由なのだそうです。
この他にも、まだまだあります。
モミの木、ブルーバード、ジュニパー、クジャクヒバ、ユーカリetc…
葉っぱの色がシルバーだったり、逆に黄金色だったり、飾る空間に合わせて好みの色味から選ぶのもよいですね。
〇お手入れ方法
・枝物なので、基本的に丈夫で水揚げも簡単です。
茎の切り口を斜めに切り、次にタテにハサミを入れて2~3cm割れれば十分です。
・花瓶の水は浅め(3~5cm)で構いません。
・冬場は乾燥しますので、霧吹きを毎日かけて水分を葉からも補給すると、より長持ちします
【簡単な飾り方】
エバーグリーンは、リースやスワッグ作りの素材として、定番になりつつありますが、もっと手軽に楽しんでみましょう。
合わせるお花や器をクリスマスカラーにするだけで、いつもよりちょっと特別な花飾りを楽しめます。松かさなど小物があれば、一緒に飾ってみるとよいですね。
上の写真は、kumpuからお届けしている定期便のお花を使った花飾りです。お花の種類に拘らす、色味を変えるだけでも、様々な雰囲気作りができると思います。
これからの時期、エバーグリーンに合わせるおすすめのお花は、バラはもちろん、ガーベラ、ラナンキュラス、アネモネなど春花、アマリリスなどいかがでしょうか。
プラスで実物、例えばヒペリカム、ノバラの実、ヘデラベリー、個人的にはナンキンハゼが好みです。
エバーグリーンは、水に浸かってなくても数週間は楽しめます。もちろん水分が蒸発していくので、ドライにはなっていきますがそれも味のひとつ。
左の写真は、ちょっとバージョンアップして、器に見立てて花を飾るスタイルです。
雪が積もった森の中にお花がぽつっと咲いているような、そんな真冬の景色をテーブルデコレーションにご提案。お部屋のコーナーに飾ってもよいですね。
次回はこの作り方をご紹介します!
もうすぐ師走。まだ紅葉で賑わう名所もありますが、次第に山々を彩った葉っぱたちは道に散り、今度は足元から街を彩ります。枯れ葉をさくさく踏み進み、所々に咲く寒椿の鮮やかなピンクに魅了され、季節の移り変わりにしみじみとしますね。
また、この季節は次第に日が短くなり、夕方になればすっかり真っ暗に……冬の訪れを感じます。
そして冬とともにやってくる一年の最後を彩るビックイベント☆クリスマス☆
街中は、イルミネーションで煌びやかになってきました。
kumpuでも昨年に引き続き「ナチュラル・クリスマス」のご提案をしたいと思います。グリーンをたっぷりとあしらい、針葉樹の澄んだ香りに心を落ち着かせながら過ごせる花飾り。
第一弾は、もの足りない位がちょうどいい、シンプルスワッグ(壁飾り)です。
様々なグリーンと木の実いっぱいやキラキラのオーナメントをたくさんつめ込んだリースやスワッグは楽しくハッピーな気持ちにさせてくれますが、実際作るとなると、材料を集めるだけでも大変ですよね。ご自宅で気軽に楽しむには、このくらいシンプルでも十分かもしれません。
クリスマスカラーを束ねるだけでも演出はできます。あとは、お好みのリボンなどを結んでオリジナル感をだしてみましょう。
🎄スワッグとは
ドイツ語で「壁飾り」の意味です。花束を逆さまにしたような形で、壁につるして飾ります。空間を彩るインテリアアイテムとしても人気です。
ヨーロッパでは魔除け・幸福を呼ぶアイテムとして、古くから親しまれてきました。
特にクリスマスシーズンには、街中で見かけることが多くなります。玄関に飾られるほか、部屋の壁や暖炉の回りに飾られ、華やかでエレガントにクリスマスの雰囲気を演出します。
シルエットは様々。
アーモンド型に作るのが一般的ですが、タテに細長いタイプ、扇形のように横に広がるタイプなど、決まりありません。飾る空間に合わせてお好みの形をアレンジしてみましょう。
【ガーランドのようなタテに細長いスタイル】
スタイリッシュな雰囲気に仕上がります。広めの空間に似合うかもしれません。長さを生かして、ガーランドの様にオーナメントを繋げていきましょう。花材と同じ色味のリボンを思い切って長めに垂らせば、モード風にもなります。(写真上)
・使用花材…ヒムロスギ、ブルーアイス、松かさ、コットン、ミニシルバーデージー、シャーリーポピー)
【ツリー型】
こちらは、実付のヒイラギとローズヒップのみを束ねたスワッグ。ヒイラギの葉の特徴を生かして束ねたら、偶然にもツリー型になりました。いくつか作ってモビールの様にゆらゆら吊るすのもよいですね。(写真上左)
・使用花材…ヒノキ実付、ローズヒップ
【扇形】
クリスマスカラーを意識して、もう少し花材をプラスして束ねてみました。長さのあるものから束ねていきますが、横にも広がる様に束ねて。ちょっとしたスペースに飾るのによいですね(写真上中央)
・使用花材…ヒムロスギ、ブルーアイス、グミノハ、ローズヒップ、ヤシャ
【フリースタイル】
シルバーグリーンだけをわさっと束ねて静寂なイメージに。香りを楽しみましょう。(写真上右)
・使用花材…ヒムロスギ、ブルーアイス、ササバユーカリ、ダスティミラーシラス、セイロンランティア
【スワッグの作り方】
<今回使用したもの>
・花材
ヒムロスギ、ブルーアイス、グミノハ、ローズヒップ、
ヤシャ
・資材
ワイヤー、輪ゴム、リボン、花ハサミ、クラフトハサミなど
とてもシンプルです。
基本的な手順です。
1.花材の下準備をします。
エアバーグリーンはイメージに合わせて長ければ、枝分かれ部分を切り分けて、ボリューム長さの調整をしましょう。
2.枝や茎の手元に当たる部分(大体10cm位)の葉を取り除きます。
3.枝の表裏を見極めて、できるだけ背になる部分が平らになるように、分けておくと束ねやすいです。
4.丈の長めのものから下に置き、それぞれの花材が良く見えるように、段々に重ねていきます。
5.時々束を逆さに持って、スワッグになった時のイメージを確認しながら束ねていきましょう。
6.味付けとなる実物を挿していきます。束を持っている手を少し緩めて、グリーンの隙間に入れて様子を見てみましょう。
7.全ての花材を束ねたら、全体のバランスを整えて、ワイヤーか輪ゴムで留めます。
8.壁に吊るすためにリボンか麻紐などを結び付けます。今回は、リボンの隙間にフックをかけて飾れるようにしました。
手元の茎は、切らずにそのまま不揃いでも構いませんし、カットして揃え、リボンなどでアレンジするとより装飾的になります。
☆補足…リボンの色・太さ・素材によって、ずいぶん印象が変わるので、作りたい雰囲気に合わせて準備しておくとよいですね。
結び方によっても印象が変わります。目立たせたくない時は固結びを、逆に目立たせたいときは蝶結びにするなど、フィニッシュが決め手になるかもしれません。
グリーンのベースは同じでも、色やオーナメントで様変わりします。こちらは、オリエンタルなお部屋に合わせてみました。ご自宅の空間に合わせて自由に飾ってみましょう。
今回使用した花材は、比較的お花屋さんでも購入しやすいものなので、これから作ってもクリスマスまでドライのまま飾って楽しんでいただけます。オーナメントを変えれば、お正月用まで飾れるスワッグ。
小ぶりなものから作ってみてもよいですね。
ぜひお試しください。
早いもので、もう11月。日本の暦七十二候では「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」といわれ、楓や蔦の葉が色づく頃を言い表しています。わかりやすくて、とても美しい名前ですね。
葉が色づくことをひとくちに「紅葉」と呼びますが、正確には、葉が赤く色づくことを「紅葉(こうよう)」、黄色に色づくことを「黄葉(こうよう、おうよう)」、褐色に色づくことは「褐葉(かつよう)」と呼ぶそうです。実は、こんなふうに分けられているんですね。
さて切花でも、気温が下がるにつれて色合いが深みをましてくる花があります。一年中見る者を魅了してやまない花の女王🌹「バラ」です。
そこで今月のお花は「秋のバラ」をご紹介します。
この時期は花蕾がゆっくり生長するため、より色深く、引き締まった花形になり、香りも豊かに。本来の花の美しさを堪能することができるのです。
【基本情報】
『バラ』
分類: バラ科バラ属
学名: Rosa
和名: 薔薇
英名: Rose
原産地:北半球の温帯(主にヨーロッパから日本)
日本の主な生産地:愛知県、静岡県
花色:花色はとにかく豊富でほぼすべての色があるともいわれています。
〇花名の由来
和名の「薔薇」は、とげのある木を表す「いばら(茨)」が転訛した(または略された)といわれます。
学名「Rosa(ローザ)」は、古代ギリシア語でバラを意味する「rhodon(ロドン)」やケルト語で赤色を意味する「rhodd(ロッド)」が語源であるといわれます。
〇バラ誕生の伝説とは
愛と美を司るギリシア神話の女神アプロディーテがキプロス島の海から生まれたとき、大地が「自分も神々と同じように美しいものを創造することができる」といって、バラの花を生み出したといわれます。
その様子は、ルネサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリ(1445~1510)の名画『ヴィーナスの誕生』に描かれています。
そのバラは、白バラの祖「ロサ・アルバ」にもっとも近い純白のオールドローズ「アルバ・セミプレナ」です。
〇世界中から愛されるバラは、国花も担っています。
イラク(赤いバラ)、オマーン(赤いバラ)、サウジアラビア、アルジェリア、モロッコ、イングランド、ブルガリア、ルクセンブルク、アメリカなどです。
〇花言葉は色によって様々
フラワーギフトで贈る時など、バラにメッセージを託すのもよいですね。
全般 愛・美
赤:あなたを愛しています、愛情、情熱、美
白:無邪気、清純、純潔、相思相愛、尊敬
ピンク:上品、しとやか、温かい心、満足
黄:献身、あなたに恋しています、嫉妬、友情
オレンジ:魅惑、信頼、絆
紫:誇り、上品、尊敬
青:夢が叶う、神の祝福
緑:穏やか
トゲ:不幸中の幸い
【バラの咲き方】
モダンローズの咲き方は、花形にもさまざまなバリエーションがあります。ここでは、お花屋さんでも見かけそうな花の形をご紹介します。お好みの形はどれでしょうか?
「高芯咲き」通称剣咲ともいわれ、つぼみから開花していくときに、花の中心部分が高くなる咲き方です。バラをイメージする時、真っ先に浮かんでくる形ではないでしょうか。(写真左「スィートアヴァランシェ」)
「カップ咲き」カップ状に丸みを帯びたフォルムの咲き方です。茎がしなる品種が多く、ナチュラルな雰囲気を出したい時に特におすすめです。ブライダルにも人気の形です。(写真左から2番目「イブピアッチェ」)
切花のバラは、香りのするものが少なくはなりましたが、このイブピアッチェは香りのあるバラで比較的手に入りやすく人気のバラです。
「ロゼット咲き」ロゼットとは、開いた花の中心に、小さな花弁が放射状に重なり合うもので、様々な形があります。こちらもガーデン風なイメージにぴったりです。(写真中央「ミルクオレンジ」)
「フリル咲き」波打つようなフリルが入る花びらが特徴的。可愛さとゴージャスなイメージを兼ね備えています。(写真右から2番目「オール4キュート」)
「ポンポン咲き」花芯から細い花弁が文字通りポンポンとした動きがあり、ガーデンローズに多く見られます。動きを出したり、ナチュラルなイメージには欠かせませんね。(写真右「グリーンアイス」「オリエンタルエクレール」)
【バラを長く楽しむために】
・花瓶に生ける前に、下準備をしましょう。
1.余分な葉っぱは取り除きます
2.茎の切り口はなるべく斜めに切り、時間があれば一度水揚げをすることをおすすめします。バラを新聞紙でくるみ、深水に約1~2時間つけておきます。
☆詳しくはMAGAZINEの「もっとバラを楽しむために知っておきたいこと」をご覧ください。
・香りのあるバラは、香りを発散することによりエネルギー消耗するため、日持ちが劣ります。持ちのいいバラや草花と一緒に飾ってみましょう。始めは香りを、それから持つバラや草花は長く飾って楽しむことができますよね。
・できれば朝晩2回の水換えをして、常に花瓶の水を新鮮な状態に保ちましょう。
・花は乾燥が大敵です。直射日光や暖房の効いた部屋は避けて、なるべく涼しいところに飾りましょう。
【赴くままに飾りましょう】
特に決まりはありません☆好みのバラと花瓶が準備できたら、自由に楽しんでみましょう。
・バラ数本と、季節のグリーンのみのお手軽アレンジ。紅葉ヒペリカムを使って季節感をだしました。この時、スプレーバラ(枝分かれして数輪ついてるタイプ)があると、ボリュームが出たり、花留めの役割もするので便利です。(写真左)
・同系色のバラを贅沢に束のままわさっと生けます。バラの頭を揃えて、同じ方向に生けるとモダンに仕上がります。(写真左から2番目)
・スプレーバラと草花のアレンジ。ガーデンローズの景色をそのままお部屋に取り込んで季節の息吹を感じましょう。(写真右から2番目)
・バラの色、グリーンの色を変えるだけでも季節の変化を表現できます。シルバーグリーン(ユーカリ)は秋から冬のイメージにぴったりな優れものです。(写真右)
ローズガーデンと異なり、切り花のバラは、様々な用途に対応できるように香りのないものが多くありますが、バラ本来の魅力は香りもその一つ。
甘い紅茶のような香りやスパイシーな香りなどバラの香りに酔いしれる秋の夜長☆なんて素敵ですよね。
このシーズンにたくさんのバラの中から、お好みの一輪を探してみませんか。(写真はパリのあるお店のショーウィンドウ)
kumpuの「産直のお花」では素敵なバラを作っていらっしゃる産地さんが参加されています。ぜひ、お立ち寄りください。
秋を代表する花といえば、今月のお花でもご紹介したダリアをはじめ、コスモス、ケイトウ、秋のバラ、秋の七草など華やかなものや可憐なお花を思い浮かべるかもしれません。
実はそれとは対照的に、この時期、個性的なフォルムの花たちも旬を迎え輸入されてきます。春を迎える南半球の花、ネイティブフラワー(別名ワイルドフラワー)です。
ネイティブフラワーとは、オーストラリアや南アフリカなど、南半球が原産地の植物の総称で、過酷な環境に耐えるために進化し続けた結果、どれも見た目が独創的ですが、可愛らしさを兼ね備えているものが特徴です。そして花持ちは抜群!そのままドライフラワーにもなるので、イベントが多くなるこれからの時期、リースやスワッグの花材としても大活躍します。
もう一つ!実りの秋は花の世界でも同じ。たわわに実のついた枝物が多く出始めています。
前回ご紹介した、ハロウィンのバスケットアレンジに使用している花材もネイティブフラワーや実物たちです。続きにはなりますが、この回では、花材にスポットをあて、比較的手に入りやすいユニークな花をほんの一部ですがご紹介しましょう。
秋の陽だまりのような色合いや旬な花をお部屋のインテリアとして飾るだけでも、秋のムードが高まりますよ
【基本情報】
『ピンクッション』(ネイティブフラワー)
分類: ヤマモガシ科レウコスペルマム属
学名: Leucospermum cordifolium
和名: ピンクッション
英名: Pincushion
原産地:南アフリカ
花色:キイロ、オレンジ、アカ
〇花名の由来
花形が、裁縫で使う針山に似ていることから、この名前がつけられました。また学名の「レウコスペルマム」は、ギリシャ語で「白い種子」という意味です。開花後につける種子が白いことに由来しています。
〇花言葉
どこでも成功を、艶やかな人、共栄、陽気、降り注ぐ愛
〇特徴
非常に花もちがよく、開花すると数週間咲き続けます。また花の構成が独特で、多数の花が集まって花の形を形成しています。ピンクションのピンのような細い部分は、花びらではなく1つの花なのです。このような花の構造を「頭状花序(とうじょうかじょ)」と呼びます。
〇お手入れの方法
・葉は先に茶色くなりやすく、水に浸かる下葉は取除きます。
・茎の切り口をハサミで十字に割り、水を吸いやすくしてから生けましょう。
【基本情報】
『ワックスフラワー』(ネイティブフラワー)
分類: フトモモ科カメラシウム属
学名: Chamelaucium uncinatum
和名: ワックスフラワー
英名: waxflower
原産地:オーストラリア
花色:白、赤、ピンク、薄紫 *最近は「染め」と呼ばれる、色を吸わせて着色させたものも流行っています。
〇花名の由来
花がワックスをかけたような艶があり、蝋の質感があることからワックスフラワーと呼ばれています。
〇花言葉
繊細、まだ気づかれない長所、気まぐれ、かわいらしさ
〇特徴
粒々のつぼみがはじけて梅の花に似た小さな花が無数に開花します。光沢がありロウがかかっているようなつやつやとした花びらが魅力的。また、香りも楽しめ、葉をちぎったり、茎の部分を折ったりすると、柑橘系の爽やかな香りが広がりますよ。
比較的個性的で大輪の花が多いネイティブフラワーの中では、小花で扱いやすく、切り分けてちょっと飾るのにも便利です。
〇お手入れの方法
・花はかわいらしいですが、枝ものなので、茎の切り口に割りを入れて水あげをします。細い枝は斜めにカットするだけでもかまいません。
・花持ちの良い花材ですが、花より先に葉が散りやすいので、生ける際にはある程度の葉を落としてから生けましょう。
【基本情報】
『シンフォリカルポス』
分類: スイカズラ科シンフォリカルポス属
学名: Symphoricarpos
和名: 雪晃木(セッコウボク)、シラタマヒョウタンボク
英名: Snowberry
原産地:北アメリカ
花色:白、ピンク、ワインレッド
〇花名の由来
シンフォリカルポスの英名は「Snowberry」、和名は「雪晃木(セッコウボク)」と呼ばれ、どちらもつやのある白い実を雪に例えて名前がついたようです。
〇花言葉
いつまでも献身的に
〇特徴
秋から冬にかけて、真珠くらいの大きさの白やピンクのかわいい実をつけるスイカズラ科の落葉低木。初夏にすずらんの形に似た小さな花が開花した後、秋に実をつけます。花より実の状態の方が人目を引くため、実の状態が切り花として流通しています。
そのかわいらしい花姿から、ブライダルブーケにも人気です。
〇お手入れ方法
枝ものなので、茎の切り口に切れ込みを入れると水の吸い上げがよくなります。どちらかと言うと実より葉が先に傷んできます。傷んだ葉や実をその都度取り去ると、長く美しさを保ちます。
【基本情報】
『ノバラの実』
分類: バラ科バラ属
学名: Rose multiflora
和名: 野茨(ノイバラ)
英名: Japanese rose
原産地:日本、朝鮮半島、中国
花色:緑からオレンジ、アカに
〇花名の由来
和名にもなっている「ノイバラ(野茨)」の名前は、「野のトゲ」が由来です。トゲのことを別名「茨」といい、茎にトゲを持ち野に生えることから名づけられました。
別名ノバラとも呼び親しまれ、日本のバラの代表的な原種です。
〇花言葉
上品な美しさ、純朴な愛、孤独、才能
〇特徴
小さくて可憐な白い花を咲かせる野生のバラです。
切花では花の流通はなく、赤い実をつけた枝物がこの時期人気です。
ノバラの枝をポンと花瓶に挿すだけでも秋のムードに。小分けにしたノバラの実を使ってリース作りなどもおすすめです。野性味にあふれたおしゃれなインテリアに。デコレーションのアイデアを考えるだけでも楽しい実物です。
〇お手入れ方法
・茎の切り口をハサミで十字に割り、水を吸いやすくしてから生けましょう。
【楽しみ方】
〇ピンクッションは、1本でも十分な存在感があります。合わせる花の種類を絞って、引き立ててくれる小花や実・葉物を選びましょう。もちろん、ネイティブフラワーとの相性は抜群です!
蔓性の葉物や、しなやかな枝物などを加えて秋の息吹を吹き込んでみましょう。(写真左)
〇花の頭が重いので、高さを出してアレンジするよりは、低めにして安定感をつくります。(写真左から2番目)
〇花瓶は、下に重心があるものを選びます。その時のシーズンイベントカラーに合せたりとコーディネートを楽しんでみてください。
今回はハロウィンを意識して、ピンクションがオレンジなので、花瓶は黒にしてみました。(写真右から2番目)
〇ネイティブフラワーは、殆どドライフラワーにもなるので、スワッグ(壁飾り)にしてしばらく楽しむこともできます。(写真右)
お花屋さんで、秋ごろに店頭に出回ることが増えるちょっとユニークな花たちをご紹介しました。
見かけたらぜひ手に取り、おうちでも楽しんでみてはいかがでしょう。
10月の半ば、二十四節気では寒露(かんろ)といい、野草に冷たい露がやどり、秋もいよいよ本番になることを告げています。また日本でもすっかり定番の行事になったハロウィンの月。街中はパンプキンカラーの装飾で賑わってきました。元々のハロウィンの起源は、古代ケルト民族が行っていた秋の収穫を祝うとともに悪霊を追い払う宗教儀式「サヴィン祭」であるといわれています。日本のお盆に似た風習のようです。
実りの秋♪収穫の秋♪花の世界でも様々な実物が出始めています。
植物の自然の美しさは、春夏秋冬様々な姿で私たちを魅了してくれますね。
前回は、花ではなく葉っぱの小物でお花を楽しむご提案をしましたが、今回はその続編です。使いやすい小ぶりのリーフプレートのご紹介と実物や野草・蔓を使って、シックなオトナのハロウィンコーディネート術です。
食卓にはもちろんですが、生花が無い時でも、花のある暮らしに季節感あるの景色を添えてくれることでしょう。
【ローレルリーフ】
すっきりしたローレル(月桂樹)の葉っぱの形をしたお皿。
アレンジで余った草花を置いたり、実物を並べたり、遊び心をくすぐられます。
お茶の時間に、お砂糖とスプーンを入れるのにちょうどいい大きさです。細長いものや、小さいものをちょっと入れるたいときにも便利。
【ディップディッシュ】
丸みを帯びた葉っぱの形をしたお皿。
小花を浮かべたり、実物を盛ったり、小さなアレンジもできます。
お菓子やお料理に添えるディップ入れとしても。
どれも葉脈まで入って、本物の葉っぱのよう。 葉っぱのみずみずしい感じが、ガラス質の釉薬で伝わってきます。
一枚一枚表情が異なり、オンリーワンの特別感も味会えますよ。
プレートの色は各種2色ずつ揃っています。前回と同様、「トマテ」は、名前のごとくトマトの葉っぱの色。青々とした緑はどんな色とでも相性がよいでしょう。
「フォレ」は深い緑で森林浴をしているかのようです。
そしてリビエラの定番色「ヴェール・フレ」は、新緑の意味通り、やわらかな若葉の色あいです。
【リーフプレートの楽しみ方】
〇テーブルコーディネートに最適
ハロウィンの象徴でもあるカボチャ。オレンジ色のカボチャを想像しますが、近年装飾用のカボチャは様々な色があります。今回は、秋の始まりをイメージして緑からオレンジへ移ろいゆく抑え目の色彩で。静寂なオトナのハロウィンを表現するため、アイボリーとこっくりとした深緑のカボチャをご用意しました。リーフプレートのグリーンとも調和がとれ、野草や実物たちを引き立ててくれます。
水がいらないお手軽なテーブルコーディネートのご提案です。
☆飾り方
<使用した花材(リーフプレートはお好みで)>
カボチャ(もちろんオレンジ色など手に入るもので十分です)、実物(今回はノバラ)、蔓系の葉物、キャンドルなどあれば
1.カボチャをウエーブ状に並べます。
2.蔓系の葉物をウエーブのラインに這うように添わせて、その上から実物をそえます。
3.今回ご紹介するリーフプレートを並べます。葉っぱの下から顔をだしたり、実物をおいたりして、植物と馴染ませましょう。
キャンドルやグラスなど他の小物もあれば並べても良いですね。
お庭で食事をしているような、自然な空気感が漂いませんか。頑張りすぎない自然との調和を意識したスタイリングです。
〇お花の装飾にプラスワンコーディネート
2つ目は、ハロウィンのバスケットアレンジメントにリーフプレートを落ち葉に見立てて空間を広げます。花瓶生けやアレンジメントだけをぽつんと飾るより、自然の世界観も広がってゆきます。
花材であるオレンジのピンクッションは、フォルムもユニークでこの時期人気なネイティブフラワー。アクセント付におすすめです。
☆バスケットアレンジメントの作り方
<使用した花材と資材>
ピンクッション、シンフォリカリポス、ノバラ、野草、カボチャ
バスケット、吸水性スポンジ
1.バスケットの半分くらいの大きさにカットした、吸水性スポンジ(水漏れ防止のためにビニール袋に入れます)を片方にセットします。
2.カボチャをバスケットの隙間に配置します。
3.ピンクッション→野草→実物の順に吸水性スポンジに挿していきましょう。
4.スポンジ隠しに、カボチャを置きます。
5.リースプレートを並べ、余った花材や落ちた実物を添えてみましょう。
*メイン花材が無くても(写真右下)…かぼちゃと野草・実物だけの野畑アレンジメントのできあがり。バスケットに無造作に詰めて楽しんでみましょう。
〇前回のリーフプレートとの相性も抜群。これからのシーズンイベンのテーブルコーディネートに活躍しそうなアイテムです。
【当記事のリーフプレートについて】
ポルトガルの食器COSTA NOVA/RIVIERAシリーズ。
前回の花器「ディアボロ」でもご紹介した、フランスのフラワーアーティストのクリスチャン・トルチュによるプロデュースです。 フランスとイタリアの間にある地中海のリゾート地、光あふれるリヴィエラの自然にインスパイアされて生まれました。
リヴィエラの自然の中にある色や形、
太陽の光をあびたのびやかな自然の美しさを、
クリスチャン・トルチュならではの感性で食器として表現しています。
当社のこちらサイトでも一部商品を取り扱っております。(楽天市場に移動します)
朝晩に秋の気配が深まる今日この頃。風が涼やかになってくると、金木犀の甘い香りが漂いはじめ、「ああ、もうこんな時期なんだ」と毎年気づく方も多いのではないでしょうか。
切花の世界では、豪華絢爛☆1本でも圧倒的な存在感を放つ秋の花「ダリア」が最盛期を迎えます。
育種技術の進歩によって豊富な品種を通年楽しめるようにもなったダリア。バラやチューリップと並んで最も花色の多い植物の地位に君臨しています。
けれども、もともとは秋の花。気温が下がる秋頃から日持ちも良くこっくりと色がのり、花市場でもたくさんの品種で賑わいを見せます。花色や咲き方の種類などが豊富で、ダリアと一言で言っても語り尽くせない程の魅力があるのです。
今回は、お花屋さんでもよくみかける品種を例にとり、「ダリア」の魅力にせまってみましょう。
【基本情報】
『ダリア』
分類: キク科テンジクボタン属
学名: Dahlia pinnata
和名: 天竺牡丹
英名: Dahlia
原産地:メキシコ、グアテマラ
日本の主な生産地:秋田県、長野県
花色:花色はとにかく豊富で青を除くほぼすべての色があるともいわれています。
(写真左:コーラルオレンジ)
〇花名の由来
古くからメキシコで栽培されていた歴史があり、国花でもあります。 18世紀にダリアの原種がメキシコからスペインに送られ、スウェーデンの植物学者アンドレアス・ダール(Anders Dahl)氏の名前に由来しているようです。
日本には江戸時代末期、オランダ人によってもたらされ、まるで牡丹のような花姿であることから和名では天竺牡丹(テンジクボタン)と呼ばれています。天竺はインドであり、初期にはインドからきた花であると思われていたそうです。
〇花言葉
華麗、気品、優雅、移り気、裏切り、
~エピソード~
フランスの軍人・政治家ナポレオンの后ジョゼフィーヌ(1763年~1814年)はダリアがとても好きで、珍しい品種を宮廷の庭に咲かせるのが自慢でした。
しかし、彼女は誰にもダリアを与えようとはせず、美しいダリアを独占していました。
ある日、どうしてもダリアが欲しかった侍女が愛人の貴族に頼んでダリアを盗み、自分の庭で見事な花を咲かせてしまいました。
それを知ったジョゼフィーヌはダリアへの興味を失ってしまったそうです。
移り気、裏切り、はこのエピソードからなのでしょう。
【品種と咲き方】
花色はもちろん、花びらの形は短いものから長くうねっているものまでbバラエティ豊か!一説によるとなんと園芸用品種も含め約3万種類以上もあるともいわれています。
大きさは、ピンポン玉くらいの小輪から、人の顔と変わらないくらい巨大輪のものなど、同じダリアとは思えないほど印象も大きく変わります。
その中でも切花で比較的手に入りやすく代表的な咲き方(花型)をご紹介しましょう。
・デコラ咲 八重咲で、いかにもダリア!と思わせる咲き方です。舟形の花弁が幾重にも重なった咲き方を指します。(写真左:ミッチャン)
フォーマルデコラ咲き、インフォーマルデコラ咲に分かれ、後者は、花弁がねじれているものです。(写真左から2番目:黒蝶)
・ボール咲(ポンポン咲)花全体が球状になっているものを指します。花の大きさが5センチ以上をボール咲きと呼び、5センチ以下のものをポンポン咲きと言います。(写真中央:エマ)
・スイレン咲 名前の通り、満開時のスイレンを思わせるように花弁が幅広く、丸みを帯びて咲く咲き方です。(写真右から2番目:ヴァニラ)
・カクタス咲 花弁が細く、花縁が曲がって筒状になる咲き方です。(写真右:熱唱)
・シングル咲、アネモネ咲 一重咲きの花型で、一見ダリアのイメージよりはヒマワリやマムに似ています。
とあるダリアの生産地にて・・・
ビニールハウスで温度管理され、繊細な花びらを傷つけないように、工夫がなされています。
ダリアは、つぼみで摘むと、きれいに咲くことができないため、花が開いた状態で産地から出荷されます。より長く楽しむには、7~8分咲きの花を選ぶとよいでしょう。
*左の写真は希少品種の「カフェオレ」
【ダリアの特徴とお手入れ方法】
日持ちがやや短いため、お手入れすることで、少しでも長持ちさせることができます。
・下葉を取り除く
茎に葉がついている場合は、枝分かれしている根元から切り落とし、花に水が行くようします。
・生ける前に切り戻しをする。
ダリアは茎が空洞になっているため、より水分を必要とします。生ける前に、水切りをして水揚げをしましょう。茎はなるべく斜めに切り断面積を増やします。
(*水切りとは…ボールなどに水を貯めその中で茎をきること。水圧によって水上がりがよくなります。)
・それでも元気がない場合は、湯上げをおすすめします。☆Kumpuホームページ→MAGAZINE→「お花を長く楽しむための基本の水揚げ法」を参考にしてみてください。
・花瓶の水は浅水で大丈夫
花瓶の大きさにもよりますが、水量は5cm前後~花器の中くらい程度にして、茎が水に触れる部分を少なくしましょう。
・霧吹きで水分補給
お肌と同様、空気が乾燥していると、花びらは水分を失い、ハリのない状態になります。花の裏側から霧吹きで水分補給をしてあげるのもおすすめです。
・傷んだ花びらはカットする
蕾から一番最初に開く花びら(外側)から萎れてきます。そうした時は花びらを抜かずにハサミで傷んだ部分をカットします。コツは花びらのつけ根を残すことです。手で引き抜くと、花が散ってしまうこともあるので気を付けましょう。
・できるだけ毎日水替えをする
どのお花にも共通していえることですね。
水替えのタイミングで、花の鮮度保持剤や塩素系漂白剤(1~2滴)を入れることで、より日持ちしやすくなります。
【ダリアの飾り方のコツ】
ダリアやヒマワリを生けるとき、花が正面ばかりむいてしまい、なんだかしっくりこない…と思ったことはありませんか?ちょっとしたコツで、解決できます!
〇花の向きや角度を変えてさまざまな顔を
花の特徴として、真っ直ぐな茎に対して、横向きに花が付いています。そのため、花顔だけみて生けると正面ばかり向いて、なんだか動きのない直立したアレンジに。あえて、顔の向きを揃えず、横や斜め、後ろ向きがあってもよいので自然な雰囲気にいけて奥行き感をだしてみましょう。
ダリアだけでも十分に美しいアレンジにできます。花の間に、小花やグリーンを少しだけ見せてブーケ風に。1輪ずつの繊細な色彩を際立たせています。(写真上段左)
自然に生えてるかのように、高低差をつけてダリアたちを躍らせてみるのも良いですね。(写真上段中央)
〇器は口の狭いもの
飾る花瓶次第で和風にも洋風にもアレンジできます。
数本だけいける場合は、口が狭く、重心が下にある花瓶がおすすめです。 筒状の器では、コロコロと動いて茎が定まらないダリアも、簡単に、生けたい向きに固定できます。(写真下段左)
〇季節の草花と合わせてナチュラルな装いに
その季節の枝ものや実物を、ダリアの口元に低くあしらいます。花留めにもなり、キッチンブーケ風にアレンジが可能です。(写真下段右から2番目)
季節の草花は、ダリアをナチュラルにする引き立て役に。秋のバラ、ケイトウ、コスモスなどを合わせてみませんか? ダリアも、野原で摘んだやさしい表情を見せてくれます。赤いナナカマドの実が秋の深まりを感じさせます。(写真下)
そろそろ、お花にとっても過ごしやすい季節。ダリアの魅力を探しに出かけませんんか。
◆飾り方で使用したダリアたち
<写真上段> かまくら(白)、純愛(薄いピンク)、みっちゃん(フューシャピンク)、朝日てまり(赤)、黒蝶(ボルドー)、ハミルトンジュニア(オレンジ)、ヴァニラ(白地に赤縞)
<写真下段>コーラルオレンジ(サンゴ)、エマ(赤)、幸せの花嫁(ピンク)、朝日てまり(赤)
9月も半ば、二十四節気では白露(はくろ)といい、夜間の気温が下がり、草花や木に朝露が宿り始める時期をさします。もうそこまで秋がきている気配がしますね。一足先に梨や栗の美味しそうなデザートに目移りしてしまいます☆
そして、秋になると紅葉も楽しみの一つ。字のごとく、こんなにも色ずく葉っぱを愛でる時期は他にはないでしょう。朝露で白く光る瑞々しい草花、紅葉…植物の自然の美しさ、力強さを葉っぱは表現してくれます。
そんな思いも込めて、今回は葉っぱの小物(お皿)でお花を楽しむ提案です。
食卓にはもちろんですが、生花が無い時でも、花のある暮らしに自然の景色を醸し出してくれます。
お部屋のインテリアとして、そのまま飾ってもよいですし、花を生けた後何か物足りなく感じたり、ヨーロッパ風にオシャレに着飾りたい・・・そんな願いをかなえてくれるかもしれません。
今回ご紹介するシリーズは、自然をオマージュした美しい形が特徴。葉っぱの形や大きなど何種類ありますが、今回は、使いやすく人気のある2品です。
【アルケミルリーフのお皿】(写真上段)
生花では初夏に咲くアルケミラ・モリス。その葉に似せた、やわらかいハート型をした葉っぱの形のお皿。
葉っぱのみずみずしい感じが、ガラス質の釉薬で伝わってきます。
色名「フォレ(森)」は見た目の通り深みのあるこっくりとした緑色。これからの季節、外でのティータイムも楽しそうです。食卓にはもちろん、秋色の装花の引き立て役になります。
【ハイドランジア(アジサイ)のお皿】(写真下段)
梅雨の時期に愛でる花、アジサイ。その葉っぱの特徴でもある、淵のぎざぎざがリアルに表現されています。
色は、明るい緑の「トマテ」(トマトの葉っぱの色)、濃い緑の「フォレ」。葉っぱの形とあいまって、森林浴をしているような気持ちになります。
形はユニークですが、しっかりものをのせられる大きさで2サイズあります。朝食プレートやお客様用に個包装のお菓子をのせてお出ししても、まるで葉っぱで包んだように見えてかわいらしく、おすすめです。
小物を置いてもさまになります。
【おすすめの使い方】
ここでは、お花とのコーディネートをいくつかご紹介します。
〇花器のコースターとして
MAGAZINEでもこれまで何点か掲載していますが、プラスワンコーディネートに最適です!リーフプレートを花瓶の下に敷くだけで、魔法がかかったように、森や草原にいるような自然な空気感が漂ってきます。
飾るお花の色味や、使う花器の素材によってプレートの色も変えてみましょう。
フォレは、重厚感あるものや秋色など濃い目の色味の花がおすすめ。
トマテは、若葉色にも似てるので、明るい色味やパステル調の花と相性がよいかもしれません。
〇ドライフラワーとフルーツのマリアージュアレンジメント
プレートの用途を思う存分利用してみましょう。生花でもよいですが、ドライフラワーの方が水落せず、フルーツとアレンジしやすいです。先ずは、フルーツから盛り付けていきましょう。
その隙間に、ドライフラワーを挿していきます。今が旬のグリーンアナベルなどアジサイを使うと、形が作りやすいですよ。
シンプルに、リーフプレートの色に合わせて、同系色に絞ったフルーツやハーブなどを添えるだけでも、食卓が彩りますね。
〇これからのシーズンイベントにお菓子の盛り付け
ケーキやクッキーなどを盛り付けて、お花とテーブルコーディネートはいかがでしょう。森の中にいるような優雅なひと時を演出できます。
【当記事のリーフプレートについて】
ポルトガルの食器COSTA NOVA/RIVIERAシリーズ。
前回の花器「ディアボロ」でもご紹介した、フランスのフラワーアーティストのクリスチャン・トルチュによるプロデュースです。 フランスとイタリアの間にある地中海のリゾート地、光あふれるリヴィエラの自然にインスパイアされて生まれました。
リヴィエラの自然の中にある色や形、
太陽の光をあびたのびやかな自然の美しさを、
クリスチャン・トルチュならではの感性で食器として表現しています。
他にもユニークな形のリーフプレートや食器がありますので、順次ご紹介いたします。お楽しみに☆
※当社のこちらサイトでも一部商品を取り扱っております。(楽天市場に移動します)