5月のお花は初夏の風物詩「シャクヤク」。毎年飾りたくなる、その魅力をご紹介します。
シルクのような艶やかな花弁が何枚も重なり合い絢爛豪華な大輪の花姿☆そして、みずみずしく上品でうっとりするような甘い香り。一本でも華やかな空間を演出してくれます。
一年中出回るお花が多い中、シャクヤクは5月~6月頃のみ楽しむことができる貴重な季節のお花です。ヨーロッパでは「5月のバラ」と称され、初夏を象徴する代表的な花として親しまれています。
シャクヤクの原産地はアジア大陸北東部ということもあり、西洋の花の王と呼ばれるバラに対して、東洋の花の王と呼ばれるボタンの同族種になります。高貴な花としてその地位を守り続けてきたボタンとは違い、シャクヤクは多くの人々に愛されてきた庶民的な花とも言えるでしょう。
日本には平安時代以前に中国から伝来。江戸時代には観賞用としても親しまれるようになり、今日まで多数の園芸品種がつくられています。
【基本情報】
『シャクヤク』(和名:芍薬)
・別名:貌佳草(カオヨグサ)、英名:peony(ピオニー)
・ボタン科ボタン属
・原産地/シベリア、中国、モンゴル
・日本の主な生産地/長野県
・花色:ピンク、赤、オレンジ、黄色、白
・花もち:5~7日
●花名の由来
シャクヤクを漢字で書くと「芍薬」。「芍」は、抜きんでて美しいという意味をもちます。そして、シャクヤクの根は、古くから鎮痛剤などに用いられてきた生薬(しょうやく)。花名の由来は、見とれてしまうほど見目麗しい花をつける「薬」ということのようです。
または、たおやかで、やさしげな姿を意味する「綽約(しゃくやく)」から転じた名前だとする説もあります。いずれにせよ、その美しさをたたえられ、花名になったようです。
お馴染みの「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人の例えに相応しい花であるとうなずけます。
●シャクヤク(芍薬)とボタン(牡丹)の違い
芍薬の英語での花名は「Chinese peony(チャイニーズピオニー)」。「peony」のみだと芍薬や牡丹の総称となります。
ちなみに牡丹は「tree peony」です。両者の最も大きな違いは、シャクヤクは草(草本性)なのに対しボタンは樹木であることが分かりますね。
他にも、丸みと艶のある葉のシャクヤクに対し、ギザギザで光沢のない葉を持つボタン、シャクヤクのつぼみはやや丸く、ボタンは少しとがっていること、ボタンよりも花の咲く時期がやや遅いのがシャクヤクなど、よく観察することでシャクヤクとボタンを見分けることができます。
●花言葉
恥じらい、はにかみ、謙遜、思いやり
花言葉の「恥じらい」「はにかみ」は、はにかみ屋の妖精がこの花にかくれたところ、花も一緒に赤くなったといわれるイギリスの民話に由来する説と、夕方に花を閉じてしまうことにちなむという説の2つがあります。
【シャクヤクのお手入れ方法】
切り花のシャクヤクは、咲いた状態ではなく殆どがつぼみの状態で私たちのところにやってきます。丸くて固いつぼみから、ふっくらとほころび始め、開花すると一気に満開になり、やがて花びらがぽとりと落ちくずれる…まるで儚い一生をみているかのようです。
「お客様の家でちょうど良く咲いてほしい」。生産・流通・販売に携わる人たちはそのように思い、調整し、つぼみの状態のシャクヤクを運んでいます。手厚く管理されて私たちの手元にくるシャクヤク。それでも中には「つぼみのままで開かなかった…」というお声もしばしば耳にします。
そこで、ひと手間かけて美しく咲かせてるコツをご紹介します。
■生ける前の下処理
①葉を取り除く
シャクヤクが花開くのには多くのエネルギーを必要とします。つぼみにまで栄養がいくように、葉がたくさんついている場合は、上部2~3枚程残し、下葉を手で取り除いてしまいましょう。
②蜜が付いていたら拭き取り、洗い流します
品種にもよりますが、つぼみの状態の時に花からベタベタした蜜のようなものが出ていることがあります。この蜜があまりにも多いと固まって花びらやガクがくっつき、開花を妨げる要因になります。
蜜が多い時は、水で丁寧に洗いながし開花の手助けをしてあげましょう。
③つぼみをほぐす
つぼみを指の腹を使ってやさしく揉みほぐしてあげると、開きやすくなります。。
④ 茎はなるべく斜めに切る
清潔な花ばさみやフラワーナイフで茎を斜めにカットし、吸水面積を広くします。茎の中の白い綿のようなものも削り取ってあげるとさらに効果的です。
⑤花瓶の水は深めに
シャクヤクは水を良く吸うことと、花が大きいため、水が少量だと花の重みで器によって倒れやすくなるのを防ぐためです。
■管理方法
・湿気に注意しましょう
花びらが多く繊細なので、湿気には注意が必要です。水がはねたり蒸れると花びらが茶色く変色して傷んでしまいます。なるべく涼しい所で直射日光や風には当たらない場所を選んで飾りましょう。
・こまめな水替えと切り戻しが大切です
花を長もちさせるためには、できるだけ毎日の「水替え」と、切り口を新しくする「切り戻し」が大切です。そうすることにより水を吸上げやすくなります。
その際に茎にぬめりがあれば洗い流し、花瓶もきれいに洗い、中の水を清潔に保つことをセットで行ってくださいね。プラスワンのひと手間がどんなお花でも長持ちする秘訣なのです。
※届いたばかりや買って間もない花が弱って見えたら、水分が足りず水落している可能性があります。その様な時は、生ける前にひと手間かけて湯上げ(水揚げ方法のひとつ)をおすすめします。
詳しくは、MAGAZINEの「お花を長く楽しむための基本の水揚げ方法」をご覧ください。
【生け方・飾り方】
きゅっと丸く、まるで木琴のバチのような蕾が徐々に膨らみ、何倍もの大きさの花を咲かせる過程を楽しむのが、シャクヤクを生ける醍醐味でもあります。
暮らしの中でも「昨日はつぼみだったのに今日はこんなに開いたね…」なんて会話が弾んだり…艶やかな1輪を飾るだけでも、部屋の中はがらりとおしゃれなムードに変わります。うっとりしてしまうほどの魅力的なお花☆
手軽にできるアレンジをご紹介しましょう。
①シャクヤク一輪だけを生ける
できるだけ、ふんわりと膨らんだつぼみのものを選んでみましょう。
満開のシャクヤクはもちろん素敵ですが、硬い蕾がほころび始めた頃もとても可愛らしい姿を見せてくれます。生ける器はシンプルなもので十分ですが、シノワズリ調の陶器や缶などもお似合いです。形は、花が大きいので、口元が狭い方が安定感がでます。
大きな花を小ぶりの花器にあしらうときは、思い切って丈を詰めて安定させましょう。コンパクトにまとめると、むしろ華やかさを強調できます。
②グリーンをそえて動きをプラス
シャクヤクは丈を短くすると、花のボリュームは強調されますが動きがありません。そこで蔓もの(ここではトケイソウやテッセン)を合わせたり、初夏らしい枝物(リョウブ)を合わせて、爽やかな風が通るような動きを出すとリズム感が出ます。
③散り間際を水中花で愛でる
満開になったら、花びらが散る前に短く切って水中花にしても良いですね。大輪の花を器の縁に横たわるような感じででそっとのせます。他にも小花があれば一緒に浮かべて。
【番外編-花束で楽しむ】
新緑が美しい枝ものとの相性もぴったりです。他の花を合わせるときは、丸いシャクヤクと形が異なる野の花など小花で大きさに変化をつけて、花色は同系色の方が美しくまとまります。
シャクヤクはこの時期にしか咲かない季節の花です。母の日が過ぎると、花屋さんの店頭はシャクヤクのお祭りのように賑やかに彩ります。これから夏が近づくにしたがって出回る量が増え、最盛期になると種類も豊富になるので、ぜひいろいろな種類をたっぷり楽しんでみてください!
4月にご紹介する花は、ポップで明るい雰囲気が魅力のガーベラです。
鮮やかな色彩とまるで太陽のように晴れ晴れしく花開くその様は見る者に元気を与えてくれますよね。
花屋さんでは、春夏秋冬店頭に並んでいるバラやカーネーションと同じく、必要不可欠なスタメン花でもありますが、春と秋に開花時期を迎えます。
そして4月18日は「ガーベラ記念日」。
その由来は、「よ(4)い(1)は(8)な」という語呂合わせ、4月はガーベラの出荷最盛期、1958年4月に日本で初めて「ガーベラ」という名称が登録された、という理由からきているようです。
ということで、4月はガーベラに注目!
お祝い事などイベントも多いこの季節にフラワーギフトとして彩りをそえてくれるアイテムです。
また日常の何気ない時間の中にガーベラを飾って元気をチャージしたり…様々なシーンで活躍してくれることでしょう。
【基本情報】
『ガーベラ』(別名:花車、アフリカ菊/和名:千本槍)
・キク科 ガーベラ属
・原産地/南アフリカ トランバール地方
・日本の主な生産地/静岡県
〇花名の由来
1878年に南アフリカトランバール地方でドイツ人医師博物学者トラウゴット・ガーバー(Traugott Gerber)によって発見されました。この発見者の名前に由来していると言われています。
その後イギリス人自然科学者ジェイムソンによって、本土イギリスに持ち帰られ、フランス、ドイツ、オランダに広がって行きました。
日本には、1910年頃、明治時代後期から大正時代初期に渡来し、和名では「花車」「アフリカ千本槍」「アフリカタンポポ」として呼ばれていたようです。
●花言葉
「希望」「前進」
とてもカラフルなガーベラは、花色によっても異なります。
・ピンク色…「感謝」「崇高美」
・赤色…「神秘」「燃える神秘の愛」
・オレンジ色…「冒険心」「神秘」
・黄色…「究極美」「究極愛」
・白色…「希望」「律儀」
ポジティブな花言葉からも、フラワーギフトに最適ですね。
●ガーベラのサイズや咲き方等について
バリエーション豊かな咲き方や品種の魅力にせまってみましょう。
可愛らしいイメージがあるガーベラですが、ユニークなものやカッコイイ品種も沢山あります!おまけに、ネーミングも豊富でクスッと微笑んでしまうものもあります。例えば、写真左下のクリーム色は「パスタコルヴァーラ」、グリーンは「グリグリ」と品種です。
①花の大きさには、大輪・中輪・小輪があります。大輪は直径10cm以上、小輪だと直径3cm前後からありますので、用途によって使い分けるのが良いですね。
※大きいほどお値段もアップします。
②花の中心部(芯)には芯白と芯黒(白目と黒目)があります。
芯黒は黒が入ることでキリっと花がしまり、大人っぽいイメージに、芯白は柔らかくふわっと可愛らしいイメージになります。
ガーベラを選ぶ時のポイントの一つかもしれません。
花屋さんで「シンクロのガーベラありますか?」などと尋ねたら、ちょっと玄人ぽい通な感じがしますよね。
咲き方は大きく分けて6種類。咲き方に個性があり、これがガーベラ?!と思わせる変り咲もあります。
・一重咲き
・半八重咲(セミダブル)
・八重咲(フルダブル)…写真上左
・スパイダー咲…写真上中
・カール咲…写真右
・ポンポン咲
最近ではつぼみのガーベラも出回りだしていますが、まだレアもののため、花屋さんで見つけたらラッキーですよ。
【お手入れ方法】
ガーベラを長持ちさせるこつ
①茎を切る時は、切口はまっすぐに切ります。導管がつぶれると腐りやすいため、茎の中が空洞のお花は、基本的にまっすぐに切る!と覚えておきましょう。
②茎の長さは短めにして飾った方が長持ちします。その理由は、切り花のガーベラには葉がないためです。
切り花は、茎から水を吸って花まで水を届けるため、葉から水を蒸発させる蒸散という作用がありますが、葉のないガーベラは、蒸散作用が極端に少なく水を吸い上げにくいのです。そこで初めから茎を短く切ることで、水が届きやすくなり、長く咲いてくれるのです。
*長い茎がお好みの場合は、2,3日長いまま楽しんでその後短く切って飾ってもいいですね。
③花瓶は浅水(2~3㎝)にし、水替えは、できれば2,3日に1回(夏は毎日)行ってください。
その時、器の中もきれいに洗浄しましょう。時々、茎の先を5ミリほど切るのも、長持ちさせるのに有効です。
⑤届いたばかりや買って間もない花が弱って見えたら、水分が足りず水落している可能性があります。
その場合、生ける前にひと手間かけて湯上げ(水揚げ方法のひとつ)をおすすめします。
詳しくは、MAGAZINEの「お花を長く楽しむための基本の水揚げ方法」をご覧ください。
【飾り方のポイント】
他のお花とも相性はよいですが、まずはガーベラだけを飾ってみるのがお手軽でおすすめです。
ガーベラと一口に言っても2000品種あるとも言われていますので、種類を混ぜてカラフルに飾ればとても華やかですし、単色の濃淡を生かしてシンプルに飾ってもいいですね。
・写真上左:お値段も比較的お手頃なガーベラ。ちょっと多めに用意して束ごと花瓶にストンと生けるのも素敵です。
・写真上中&右:お気に入りの花瓶やグラスに数輪と+葉物1種類くらいで飾るだけでも、お部屋がぱあっと明るくなり、お手入れも楽かもしれません。グリーン×グリーンのアレンジは、モダンな印象になります。
花がうつむいていたり、ちょっぴり上を向いていたり、様々な方向に傾いているガーベラの種類をいろんな角度から楽しんで生けてみると、全体のイメージがガラッと変わるのも魅力的です。
【飾り方のポイント】
①花の形が丸くて平たいので、みんなが一方向に向いていると、なんだか不自然に見えませんか。向きを変えてリズムを作ってあげると自然に仕上がります。季節の草花と合わせて、のびのびと生けてみましょう。
・写真上左:ガーベラは丸い形をしてるので、草花は異なるシルエットがおすすめ。スモーキーな花瓶とちょっと辛口のアルストロメリアを加えて、おとなっぽい仕上がりに。
・写真上中:お気に入りの花瓶があれば、その利点を生かして、あえて花だけを口もとにアレンジ。安定感もありミニブーケ風になります。
②花が弱ってきたら、短めにしてグラスなどに飾って…ちょっとした卓上花として食卓を彩りを(写真右)
kumpu DAY&FLOWERS では、産地直送便で千葉県の「林園芸」さんから、摘みたてのガーベラをお届けします。(写真左)
〈林園芸さんは、土耕にこだわって生産しており、茎が固く、日持ちがいいのが特徴です。現在、約50種類を生産しています。〉
お祝い事や記念日などイベントに、また、日々のお部屋に彩りをそえるなど、どんな用途にも万能なお花、ガーベラ。ぜひ、お楽しみください!
3月にご紹介する花は、ひらひらと蝶のように舞い、甘い香りとともにいち早く春を運んでくれる「スイートピー」です
春らしいパステル調の花色やマメ科ならではの上へ上へと伸びる習性があるその様は、卒業、入学、歓送迎会が多いこの時期に、明るい未来に向けて贈る花としても最適☆
普段はサブ花として控え目な立場のスイートーピーを、ぜひメイン花としてお楽しみください。
【基本情報】
『スイートピー』(和名:麝香連理草)
・マメ科レンリソウ属
・原産地/イタリアのシシリー島
・日本の主な生産地/宮崎県、大分県、愛知県渥美
●花名の由来
「Sweet pea=甘いエンドウ豆」その名の通り、この花がほのかな甘い香りを放つことに由来します。
そのため和名では、エンドウに似て香りもよいことから、麝香豌豆(ジャコウエンドウ)や香豌豆(カオリエンドウ)と呼ばれています。
日本での切花栽培は大正時代に神奈川県に始まって以来、全国各地に広がり品種改良が進められてきました。
特に豊富な色のバリエーションと甘い香りを楽しめるのがこの花の魅力といえるでしょう。
●花言葉
スイートピーの花の羽ばたく姿が由来と言われる花言葉が多く、「門出」「別離」「優しい思い出」「ほのかな喜び」など。
そして、とてもカラフルなスイトピーは、花色によっても異なります。
・ピンク色…「繊細」「優美」「恋の楽しみ」
・白色…「ほのかな喜び」
・紫色…「永遠の喜び」
・黄色…「分別」「判断力」
スイトピーが開花する3月~4月は卒業や入学など、別れと出会いの季節になります。花言葉からも、新たな門出を明るく送りだすのにぴったりの花ですね。
●スイートピーの香りの魅力
香りのある花が少なくなってきた中、スイートピーは変わることなく楽しませてくれます。この魅力の一つ、「香り」について少々お話いたしましょう。
現在、切り花として出回るスイートピーは原種「ラティルス・オドラタス」の園芸品種だと言われています。
原種のスイートピーは、ヒヤシンス・スミレ様の香りに、ジャスミンなどにも見られる濃厚な匂いをともなう力強い芳香があり、その香りのベースは現在の流通品種にも受け継がれています。
スイートピーは、その香りの特徴や成分の配合バランスによって3タイプに分類されます。お花屋さんで数本購入し、香りの違いを楽しんでみるのも良いですね。
①スイートピーの香り
バラ、ヒヤシンス様の香りに柑橘類やブドウに似たフルーティな特徴を持ち、強香で、主に原種系のスイートピー(現在の切花流通品種では「スイートスノー」、「スイートピンク」のみ)に見られる香りです。
②フルーティの香り
バラ、ブドウに似た甘くフルーティな香りで、現在流通しているの園芸品種の中でも、より原種に近い品種に見られる香りです。(例えば「アーリーラベンダー」)
③グリーンの香り
バラ、柑橘類、フレッシュグリーンの爽やかな香りで、品種改良によって香りを持たなくなった近年の品種に見られ、微香であることが多く8割方はこちらに属します。(例えば「ステラ」)
●スイートピーの香りの活用法
ヨーロッパではスイートピーをベッドルームなどに飾り、ルームフレグランスとして香りを楽しんだようです。枕元の甘い香りに、リラックス効果も期待出来るのではないでしょうか。またスイートピーの香りは、チューリップやフリージア、リューココリーネなど春の芳香花とも良く調和するため、組み合わせて香りのマリアージュを楽しむのも素敵ですね。
【お手入れ方法】
【お手入れ方法】
・スイートピーの茎は細くて柔らかいので、強く握りすぎないように持ち、茎はまっすぐに切ります。
・下から順に開花してくため、花びらが透けて見えるものは弱り始めです、摘んで取り除きましょう。
・吸水性があまりなく茎が悪くなりやすいので、花瓶の水は、半分位を目安にします。
・届いたばかりや買って間もない花が弱って見えたら、水分が足りず水落している可能性があります。
その様な時は、生ける前にひと手間かけて湯上げ(水揚げ方法のひとつ)をおすすめします。
詳しくは、MAGAZINEの「お花を長く楽しむための基本の水揚げ方法」をご覧ください。
【スイートピーの飾り方】 より美しく飾りたい。そのコツ
■シンプルに生ける
スイートピーはふりふりの花びらをしていて、色々な方向に花がついているので、実は花瓶にいけるのにとても簡単なお花です。まずは正面や向きなどあまり気にせず、お好みの器に挿してみるのもいいですね。
始めは、流れるような自然なラインを生かして、長いまま生けるのがおすすめです。数本だとスタイリッシュに(写真左)、贅沢に10本~20本束でわさっと生けるればそれだけで豪華な雰囲気で空間を彩ってくれます(写真中2枚)。
下の花が弱ってきたら取り除き、短めにしてグラスなどに飾ると、ちょっとした卓上ブーケにもなり食卓を彩ることもできます(写真右)。
■その他の春のお花たちやグリーンとアレンジして華やかに
春の芽吹きをかんじるゼンマイをアクセントに入れたり、春のお花チューリップなどと合わせると、躍動感あるブーケに仕上がります。(写真左)
スイートピー、ムスカリ、フリルパンジー、ビバーナム、羽衣ジャスミンなど春の草花をグルーピングして低めの器に盛り付けた春の宴のようなテーブルデコレーション。春花の贅沢なごちそうの出来上がりです☆ (写真右)
こうしてみると、ひらひらと舞う蝶の様な花姿、ふわっと包みこまれる甘くて優しい香り…なんだかロマンチックなお花ですね。
朝起きて花瓶の水を変える時に、飾っているスイトピーの傍を通る時に・・・
その姿と香りに癒され、感じるでしょう。すぐそこに春は来ているんだなと。
2月にご紹介する花は、うららかにカラフルに☆春の息吹きを感じる「アネモネ」です。
この時期、花屋さんの店頭を彩り、はっと目に留まる一輪の花アネモネ。
レース模様の豪華な襟に囲まれたようなお顔がエレガントで可愛らしい花姿ですが、実は、きれいに色づいた花びらのように見える部分は萼片(がくへん)で、花芯の紺や黒白の部分が花びらになります。
この萼片を夜には閉じ、朝の光とともに開いて、開閉を繰り返しながら成長していくようです。
アネモネに導かれながら、ひと足先に春の足音を聞いてみましょう♪
※MAGAZINEでは、以下、萼は花と表現させていただきます。
【基本情報】
『アネモネ』 (和名:牡丹一華、花一華、紅花翁草) ・キンポウゲ科アネモネ(イチリンソウ)属 ・原産地/ヨーロッパ南部や地中海沿岸 ・日本の主な生産地/長野県
●花名の由来
アネモネの花は春風が吹く頃に咲き始めます。そのため、ギリシャ語で「風」という意味を持つ「anemos」が元となり、アネモネの名前がつきました。
英名も「風の花」を意味する“Wind flower”と言います。
●花言葉「あなたを愛します」「はかない恋」
白いアネモネの花言葉は「真実」「期待」
紫のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」
赤のアネモネの花言葉は「君を愛す」
花言葉はギリシャ神話が由来のようです。
アネモネが登場するギリシャ神話を2つ紹介したいと思います。
〇神話① 西風の神ゼピュロスに愛された少女
春の訪れを知らせてくれる西風の神ゼピュロスは、妻である花の女神フローラの侍女の少女アネモネに恋をしてしまいます。
嫉妬にかられた女神フローラはアネモネを花園から追い出してしまいますが、諦めきれないゼピュロスはアネモネを哀れに思い、少女の姿をそっと花に変え、花園に留めてたと言われています。
〇神話② アフロディーテの恋人アドニスの血
美と愛の女神アフロディーテが息子のエロースと遊んでいるときに、間違って恋の矢がその胸に刺さってしまいました。
その時に通りかかったのが、青年アドニス。アフロディーテはアドニスに夢中で恋をしました。
しかし、以前に女神アフロディーテの恋人だった軍神アレスが二人の関係に嫉妬し、森で遊ぶアドニスとアフロディーテにイノシシをけしかけました。その結果、青年アドニスはイノシシの牙にさされ命を落とし、その時に流れ出た血から真赤なアネモネが咲きだしたと言われています。
どちらの悲恋も儚く美しい神話ですが、西洋では“愛の象徴の花”として今も愛情表現のプレゼントとして人気の花になっています。
【花の色と咲き方】
花の色には赤、白、紫(青)、ピンク、複色 (黄色オレンジ系がないのが意外です)があります。
紫色のアネモネはベルベットのような花芯と深い紫が相まって、とてもミステリアスな印象に、白いアネモネは花びらに触れることをためらってしまうくらい清楚で可憐なイメージになります。花の色が変わると印象まで変わってみえるので、選ぶときのポイントのひとつかもしれませんね。
以前、白色に芯黒の品種で見た目がパンダカラー、その名も「パンダ」というアネモネが流行った時期があり、ヨーロッパで人気の色でした。
当時の日本では白黒カラーは仏時のイメージが強くあまり浸透しませんでしたが、今ではお祝いの席のブライダルでも使われるようになり、ラグジュアリーな装飾にも人気のようです。見た目もユニークで可愛らしい品種、ぜひ探してみて下さい。
咲き方には、一重咲と八重咲があり、花径が10cm以上の大輪から3cm程の小輪まで様々あります。
独特なフォルムと豊富な花の色。アネモネの花にはいつまでも眺めていたくなるような不思議な魅力がありますね。
【花を選ぶときのポイント】
アネモネを選ぶときは、茎が太くしてしっかりしたもの、花首(襟巻のような天葉から花の間の茎)が間延びしていないものを選びましょう。しっかり開き、日持ちするものが多いです。
つぼみは開きやすいので、花が閉じた状態のものを買うことが大切です。花びらにしっかり色がのっていて、上を向いているものを選びましょう。
【お手入れ方法】
出回る時期は寒いので、比較的もちは良いです。
ただし、春花によく見られる特徴ですが、光や温度に敏感なため花が開いたり閉じたりします。前回のチューリップに似ていますね。
・できるだけ涼しく、日が当たらないところに飾りましょう。エアコンの風が直接当たるところも避けます。
・水あげは良く茎が柔らかいので、切口はまっすぐ切ってで構いません。水に浸けていると、たまに切口が裂けて反り返ってきてしまうことがあります。
その場合の対処法は、裂けてないところまで切り戻し、茎元をセロハンテープ巻くと防ぐことができますのでお試しください。
・花器の水の量は少なめにします。茎の中が空洞のため、水に浸かった茎が腐りやすいという性質があるためです。気を付けてこまめに水替えをしてください。
【飾り方のポイント】
アネモネをより美しく飾るコツ~一種類でも映えるアネモネ
春の花なので、ほかの春の花と合わせても良いのですが、アネモネ一種類で飾るのもおすすめです。色ミックスでも単色で飾っても十分な存在感と主役感があります。花そのものが非常に造形的で絵になり、ほかの花の力を借りる必要がないほど。(写真上左側2枚)
1輪でも十分に美しく、インパクトがあるアネモネは、組み合わせるならば春花を数本と葉ものを少し添えるくらいにすると、その個性が生きてきます。(写真上右、下中央)
合わせる花は、アネモネと違う形状の花を選ぶとより映えてみえます。(写真上右、下左、右)
アネモネは基本的に上を向いて咲く花です。一般的にアレンジをするときは、花同士に大きく高低差をつけますが、アネモネの場合はあえてはっきりした高低差をつけず、開いた時を考慮し花顔1つ分ほど出して、同じくらいの高さで並べてみるのもよいですよ。
こうすると上から見たとき、ぎゅっと集まった花顔のおかげでインパクトが一段と強まり、いっそう印象的に見えます。
この季節だからこそ楽しめるアネモネ。1輪お部屋に飾って春を呼び込みませんか。
2月14日はバレンタインデー。
新年の清々しい気分から通常モードに戻り、ひと段落した頃訪れる最初のイベントですね。
実はこの日は「世界で一番花を贈る日」とも言われています。
特に欧米では大切な人に愛情や感謝を改めて伝えるため、花をプレゼントする日として「フラワーバレンタイン」が一般的だそうです。
映画やドラマでも花を贈るシーンをよく目にしますが、もともと花贈りが暮らしの中に根付いていて、年齢性別問わず習慣になっているからでしょう。
日本でも、ここ10年ほど前から「フラワーバレンタイン」と銘打ってPRが行われ、徐々に浸透してきたようです。
もっとさりげなく、お花が贈られて、沢山の笑顔が増えることを願っています。
そこで今回は、花を贈る習慣になる第一歩!としてバレンタインデーにまつわるお話です。
■2月14日 St.Valentine’s Day(セントバレンタインデー)のはじまり
子供の頃から親しみのあるバレンタインですが、その由来は、古代ローマ時代までさかのぼります。
戦争中の古代ローマ、時の皇帝クラウディウス2世は、兵士が家族や恋人を恋しがって、軍の士気が低下しないよう兵士たちに結婚を禁止していました。
そんな政策に反対したキリスト教司祭・聖ウァレンティヌス(聖バレンタイン)は、結婚を望む兵士たちのために結婚式を隠れて執り行っていたのです。
しかし、このことがローマ皇帝の逆鱗に触れ、269年2月14日に処刑されてしまいました。
その後ローマでは、殉教した聖バレンタインが愛する男女の守護聖人となり、春の訪れとこのエピソードが混ざり合って世界各地で愛の誓いの日として今日のような風習になったそうです。
■世界のフラワーバレンタイン事情
ヨーロッパ諸国では、バレンタインデーにも男女が互いにカードを贈り合う習慣がありましたが、花を贈る習慣はイギリスから始まったそうです。
カードに花を添えて贈ることで、求愛のイベントになったといわれます。
フランスでは、この日に恋人同士や夫婦など決まった相手にプレゼントをします。ほとんどの男性が花を贈るので、花屋は男性客で行列になるほど!
人気の花は愛の象徴である赤バラが主流だそうですが、もちろん、それ以外もあります。
花屋さんの店頭で、たくさんの花の中からオンリーワンの花を選ぶために、大切な人の好みや雰囲気を伝えながら、店員さんとトークが弾んでいる光景が目に浮かびます。
ちなみにチョコレートを贈ることはほとんどないそうです。
ヨーロッパの中でも少しユニークなのがフィンランド。「友情の日」として、花を贈り合います。
赤バラ以外にもいろいろな花をミックスした花束や美しい鉢物なども人気だそうです。
こうした習慣がアメリカにも渡り、バレンタインデーにおける最も需要なアイテムは、やはり「花」。他の何はなくとも「花」は絶対だそうです!
お花は女性の職場にもと届くそうで、そういえば、時々そんなシーンが映画やドラマに出てきますよね。
アジアの国々はどうでしょう。
お隣の韓国では日本とアメリカの折衷タイプらしく(?)、台湾やベトナムでは男性が女性にお花のを贈るのが一般的だそうです。
イスラム社会でも、自由な国ではバレンタインデーがあるそうです。
平和な社会があってこそお祝いできる日、お花は世界に「LOVE&PEACE」をもたらしてくれるのでしょう。
■フラワーバレンタインにお勧めの花選び&花飾り
世界共通で「赤バラ」の人気は不動ですが、ちょっと視点を変えた花選びで、オンリーワンの贈り物はいかがでしょうか?
●春の赤い花で記憶に残る一輪を(写真左)
赤バラだけではなく、春花には赤い花がたくさんあります。この季節にしか咲かない春の花姿と香りは、印象深く残ることでしょう。
贈る人のイメージを膨らませて、似合う花を探すのも楽しいですよね。迷った時は、もちろんプロの花屋さんに相談するのがベストです。
おすすめは、アネモネ、ラナンキュラス、チューリップ、スイトピー、チョコレートコスモスなど。
今回の花束のスタイルは、タテに長くシンプルモダンに仕上げてみました。このスタイルは、少ない花でもカッコよく決まりますので男性に贈る時にもおすすめです。
●チョコレートのイメージカーラー、ブラウン系の花でビタースイートの花束を(写真右)
こちらは、あえて異なる色を選んでみました。
ブラウン系の花は、最近人気なカラーで様々なお花がブラウンカラーに品種改良されています。
その中でもおすすめは「リシアンサス」。フリンジがかった厚みのある花弁は花持ちもよくラグジュアリーなイメージになります。
チョコレートの香りがする「チョコレートコスモス」を挿し色に入れて甘さをプラスしてみましょう。
花束のスタイルはラウンドのブーケスタイルで、大人可愛いイメージに!
花束は、そのまま花瓶に生けることもできますが、水替えをして茎を切り戻していくと丈が短くなっていくので、束を崩して生け直しても良いですね。
同じお花でも、飾る背景(例えば壁の色)が暗めの場所か、明るめの場所かにより見え方が変わってきます。また朝日と夕日の光の具合でも異なった表情を楽しめます。
お花とともにメッセージカードやチョコレートを添えて、お花を眺めながら、チョコレートをいただく…そんな至福の時間をプレゼント。
大切な人に、自分のご褒美に、ぜひ今年はフラワーバレンタインをしてみませんか。
<今回使用した花々>
〇赤系
アネモネ、ラナンキュラス、チョコレートコスモス、ヒペリカム、ナズナ、ゼンマイ、
ゼラニウムチョコワッフル、アイビー
〇ブラウン系
リシアンサス、ラナンキュラス、ガーベラ、チョコレートコスモス、スイトピー、フリルパンジー、アカシア、ユーカリ
昨年スタートしたMAGAZINE「お花の話」では、花のお手入れ方法や季節のイベントに絡めたお花の楽しみ方を月2回、紹介してまいりました。
今年は、「花」そのものにフォーカスし、その魅力を知っていただけるよう、月前半の回では旬の切り花一種を紹介してまいります。
お花と向き合い”ありのままの姿”を知ることが、花とのつきあい=花のある暮らしに繋がることでしょう。
野菜や果物を買うように、お花をさりげなく暮らしに取り入れていただけたら・・・そして、献立を考えるように、どんなお花をアレンジして飾ろうかしら?とイメージを膨らませると、花選びからワクワクしてきますよ!
今月は早春に楽しめる球根花の中でも世界中で親しまれている花「チューリップ」です。
さまざまな色や愛らしい花姿で風に揺れる様は、春の訪れを感じさせてくれますね。
光や温度で花びらが開いたり閉じたり、茎が毎日少しづつ伸びていったりと非常に「いきものっぽい」切り花です。この生命力の強さも魅力のひとつなのではないでしょうか。
花壇では4月頃が見頃となりますが、花市場では12月から3月に約5000品種以上!あるというバリエーション豊かなチューリップが並びます。
まさに今が旬!ぜひ、手に取り、チューリップと向き合い会話してみて下さい。
【基本情報】
『チューリップ』 (和名:鬱金香 うこんこう)
・原産地/トルコ 生産国/オランダ
・日本の主な生産地/富山県、新潟県
●花名の由来
語源は、原産地のトルコ語でターバンを意味する「Tulipan(チュルバン)」からきています。花弁が重なり合うように咲く姿が ターバンに似ていますよね。
●花言葉:「思いやり」「名声」「愛の告白」
チューリップの花言葉の由来には、あるオランダの物語があります。
三人の騎士が美しい娘に求愛し、彼らはそれぞれ自分を選べば王冠(名声)、剣(強さ)、財産(資産)を彼女に与えようと言いました。一人を選べば残りの二人を不幸にしてしまうと思った娘は、女神フローラに頼みチューリップに姿を変えました。三人の騎士はそのチューリップを大切に育てたということです。
この物語から、チューリップの花は王冠を、葉は剣を、そして球根は黄金(財産)を表しているといわれています。
スッと伸びた愛らしい姿や花言葉からも、この時期、特別なシーンの贈り物にもおすすめですね。
【咲き方】
チューリップといえば、基本情報の写真(黄色のチューリップ)のようにシンプルな一重咲を思い浮かべますが、切り花の世界では品種改良が進み、咲き方や色の種類も豊富で選り取り見取り。
代表的な咲き方をご紹介します。ネーミングからも想像してみるのも楽しいですね。(写真上・左から)
・八重咲き:幾重にもなる花びらところんとボリューム感がある咲き方。開花すると、バラやシャクヤクに見間違えるほど華やかに咲きます。(左)
・パロット咲:パロットとは英語でオウムのこと。鳥の羽のような花弁が特徴的。(中左)
・フリンジ咲:花びらのふちがフリルのようになってる可愛らしい咲き方。(中右)
・ユリ咲:スッと尖った花弁がユリのようでエレガントな咲き方。(右)
・クラウン咲:王冠をイメージさせる咲き方。(今回お写真なく、すみません)
【お手入れ方法】
チューリップの葉は肉厚で水分を多く含み蒸発しやすく、吸水力が強いお花であることを念頭にお手入れしましょう。
・水に浸かる余分な葉は、取り除きましょう。(写真左)
葉の根元にハサミかフローリストナイフの刃を当て、横方向に浅く切れ目を入れます。切れ目を茎まで深く入れると、そのまま折れてしまいますのでほんの浅めで大丈夫です。
切れ目に沿って、手で葉をゆっくりとちぎり取ります。
・茎を切るときは、水が吸いやすいように切口を斜めに切ってあげてください。
・花瓶の水の量は、多くても半分程度にしましょう。水をたくさん吸いますが、茎が水に浸かりすぎると痛む原因にもなります。お水の量をこまめに見てあげてくださいね。
・光と温度に敏感に反応する性質があるため。太陽の当たる窓際や暖房のきいた部屋に置くと、一気に開きます。長く楽しみたい場合は、気温が低めのところをおすすめします。
【飾り方のポイント】
■贅沢にたっぷりと生ける
旬の時期だからこそ、ちょっと贅沢に…束ごとわさっと生けてみましょう。
光を浴びてるかのように、片側だけに流れるように生けるだけで様になります。
チューリップは、生けてからも自由に動いたり伸びたりするのでバランスが崩れてきたら、切り戻したり花瓶を変えたりと少し手直ししてあげるとよいでしょう。
茎が太いので花瓶の口は広めがお勧めです。
■チューリップ数本と春の花を一緒に
手軽に飾りたい時、愛嬌あふれるチューリップには器にも遊び心を加えるとよいでしょう。
上の写真は、トルコで購入した花瓶(左2枚)とクリスチャン トルチュ逸品のディアボロという花器(右)。
同じ花材でも、花瓶を変えるだけで、世界観もかわりますよね。
今回はチューリップと相性のよい春花スイトピーと一緒にふんわりと春風が吹き抜けるなイメージで飾ってみました。
■一輪と向き合う
ゆるやかにカーブしている表情を生かして、手近にあるグラスや空ビンにぽんと挿したり、短くなったら器の縁に添わせて円を描くようにいけてみましょう。
*茎が柔らかいので、花の重みで頭が垂れてきたら、棚の上など高いところに飾り、チューリップが何かを覗き込んでいるような姿を見上げて楽しんでみてもよいですね。
こぼれ話・・・
発祥の地トルコでは、国花として崇拝されており、街中やモスクなど、いたるところにチューリップモチーフが装飾され、それはそれは圧巻です(以前トルコへ旅をした経験談)
お土産の品々にもユニークなチューリップ柄がたくさんあり、見ているだけで微笑ましいです。
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チューリップを飾り、一足早い春の訪れを楽しんでみてはいかがでしょう。
すぐそこに春はやってきてます☆
PART1では、ホワイト×ゴールドを使った演出を紹介いたしましたが、PART2では、The Chritmas colorのレッド×グリーンです!
【色が持つ意味】
■RED
赤はキリストの血の色を象徴し、神の子であるイエス・キリストの愛と生命を表しています。
それとは別に、サンタクロースの服が赤いのは、モデルとなったキリスト教の司祭・聖ニコライの時代のミサ中の服装の色が赤だったことに由来しているそうです。
伝統色で華やかな赤と緑のアレンジ。メインのお花は、この時期になるとバラと同じくらい女王のように君臨する「アマリリス」。
蕾からゆっくりと色鮮やかに花開き、長い間楽しむことができます。
食卓をイメージしてコーヒーカップなどを代用して実物などを盛り付けると、テーブルコーディネートに一体感がでます。
壮大な森の中にいるような、澄んだ香りのする針葉樹のひむろ杉を横広く敷き詰め、装飾用の姫リンゴや松ぼっくり・星形のスター
アニスなどの実物は、自然に転がっているように、無造作に置くだけでも、そこはもうクリスマスの世界へと広がるでしょう。
お花を入れている器は、円筒のガラス瓶にヒムロ杉やユーカリを巻き付けて作ったものです。
前回ご紹介したツリーを作る時の瓶にグリーンを巻き付ける要領ですが、もうひと手間かかけて…。
お花と器に境目が無く、より自然の情景に近づきますよね。
作り方はまたの機会に☆
アマリリスの丈の長さを生かして縦に長く飾れば、モダンな雰囲気に仕上がります。
ここでも、ヒムロ杉は大活躍!大小いくつかのツリーを作り針葉樹そのものも演出しました。
2週連続でお届けした「お花で彩るクリスマス」いかがでしたでしょうか。
ぜひ、心地よいグリーンの香りに包まれて幸せなひと時をお過ごしください!
kumpū DAY&FLOWERは、今年4月のサイトオープン以来、定期便や産地直送便で旬のお花をみなさまのお手元へお届けするとともに、季節のお花でお部屋を彩る提案をしてまいりました。
あっという間に月日が流れ、12月となりましたが、一年の最後を彩る大きなお祭り☆クリスマス☆の月ですね。
そこで、今月前半のMAGAZINEのテーマは「ナチュラル・クリスマス」。
kumpuらしくグリーンをたっぷりとあしらい、表情豊かな自然の情景を切り取ったようなナチュラルでありながらスペシャルな雰囲気作りに役立つアイデアを2週連続で紹介いたします。
慌ただしく過ぎていく師走、針葉樹の澄んだ香りに心を落ち着かせながら過ごせるデコレーションです。
いつもよりちょっと奮発して、テーブルや室内に花や実物・松かさなど自然からの贈り物をメインに、オーナメントやキャンドルなども一緒に飾りつけしてみてはいかがでしょう。
そして、サブテーマは「クリスマスカラー」。クリスマスの演出に色選びは欠かせません。
私達が直感的にクリスマスを感じる色といえば赤と緑、それに白と金色ですよね。これらの色には宗教的な意味や由来があり、クリスマスへの願いが込められています。ぜひ、花の色の意味を知り、クリスマスを彩るお花選びの参考にしてみてください。
PART1では、ホワイト×ゴールドを使った演出を紹介いたします。
白とグリーンのお花をベースにパープルのアネモネやホワイトゴールドの実物でアクセントを。
寒色系でまとめてキャンドルを灯せば…静寂な夜の始まりです。オトナなクリスマスの花飾りにいかがでしょう。
これまで集めたお手持ちのオーナメントや瓶なども一箇所に集めれば、少ないお花でもホリデームード満載のお気に入りコーナーができあがります!
【色が持つ意味】
■WHITE
大地に降り積もる雪の色。穢れのない純白の色を象徴しています。また、罪なき存在として生まれてきた清らかなキリスト自身の意味もあるそうです。
そのため白い花が好まれるのですね。
■GOLD
金=光の象徴、それはキリストは暗闇を照らす光の存在だからです。
またキリストが生まれた時に現れたとされる「ベツヘレムの星」別名クリスマスの星の意味もあるようです。
■GREEN
もみの木やヒイラギ、ヒムロ杉など寒い冬にも枯れることなくグリーンの葉を保ち続ける常緑樹「エバーグリーン」は永遠の象徴とされ神聖視されてきました。
その青々とした針葉樹で作られるリースの円形も、終わりのない永遠の命を象徴しています。
クリスマスツリーのグリーンの上に雪を表す白い綿をのせて装飾するのは、雪が降っても凍ることのない豊かな大地と春をあらわしていると言われています。
それでは、今回のデコレーションの中で使っているヒムロ杉のクリスマスツリー🎄の作り方をご紹介します。
リースやスワッグを手作りするより、もっとお手軽にできる自然を生かしたアイテムです。
お花屋さんで購入しやすい花材ばかりなので、これから作ってもクリスマスまでドライのまま飾って楽しんでいただけます。
当日もしくは特別な日のテーブルコーディネートに添えて、ホリデームードを盛り上げるのも良いですね!
ぜひトライしてみてください!
【作り方】
<今回使用したもの>
〇花材
ヒムロ杉、ユーカリ、ジェイドパール、
*お好みで野バラ、スターアニス、ミニ松かさなどオーナメント
〇資材
裾広がりの空き瓶
*なるべく三角形に近い瓶が作りやすいです。調味料の瓶、お酒の小瓶など。
リース用ワイヤー、花ばさみ
①ヒムロ杉を瓶の長さよりも3分の1程長くとり、切っておきます。ポイントは、花材を上下逆にして作ること。枝の切口が上、葉の先端が裾となりテーブルに沿って広がるイメージです。
②瓶の口あたりの上部を手で押さえながら、ヒムロ杉をツリーの形をイメージしながら瓶に沿って重ねて置いていきます。あまり瓶が大きいと、持ちきれないので片手で握れる位の大きさが良いですね。
③1周したら形が崩れない様にワイヤーを上から下、下から上とグルグルと巻きつけ、上部でねじり止めてください。巻く時にあまりきつくに巻くと、葉っぱの自然な風合いが無くなりますので、程よい力加減で巻いてください。
④ユーカリなどその他のグリーンは、巻き付けたワイヤーに下から差し込み、落ちない様に葉の付け根がワイヤーに引っかかる様にくぐらせて留めてください。
長さのない実物は、ワイヤーを巻いて、そのまま土台に差し込みます。
⑤完成したら、瓶に被せたまま飾っても良いですし、ツリーのみ持ち上げて瓶から取り外してお楽しみいただくこともできます。
寒い季節、暖かいお部屋の中で、自然のエネルギーを感じる色鮮やかな花や緑を飾って、素敵なクリスマスをお迎えください☆
ふと気付けば、街中はクリスマスイルミネーションでキラキラと華やかに模様替え🎄
今年最後のイベントに気分も高まってくる頃ではないでしょうか?
お家でもちょっとしたクリスマス飾りをしてみたいな、と思った時のおすすめのアイテム!それは幼い頃から慣れ親しんでいる松ぼっくり(松かさ)です。作りやすく入手も簡単!可愛くも、豪華にも、アンティークな雰囲気にも色々な表情を見せてくれる万能な素材です。
今回は、リースやスワッグを作るよりもお手軽で簡単な松かさを使ったクリスマス装飾をご紹介します。いままで脇役だった松かさを着飾って主役に、転がしたり吊るしたり結んだり…ちょっとした所にさりげなく飾って楽しんでみてはいかがでしょう☆
【用意するもの】
〇材料…大きめの松かさ、ヒムロスギ、マウンテンジュニパー、ヒイラギ、スターアニス・ミニコーンなど実物アソート、リボンや紐
〇道具…グルーガン(樹脂で接着するホットボンドの道具)、クラフトハサミ、ワイヤー#24
【作り方】
①松かさを吊るすためのワイヤーをかけます。
・ワイヤーは、花や手芸用の太さ#24か#26(数字が小さい方が太いです)を利用すると便利です。
・ワイヤーを長さの1/3位から、松かさの上部の隙間にいれ、ぐるっと1周半巻きます。緩すぎると不安定になるのできっちりと巻きましょう。
・両端に出たワイヤーを上に折り中央でクロスして3回程ねじります。
・この状態のものは、リースに付けたりできるタイプです。
・松かさ自体を吊るす場合は、両端のワイヤーを揃えて人差し指くらいの太さの輪を作り、下でねじって留め、余分な長さのワイヤーは切ってできあがりです。
②クリスマスグリーンで土台を作ります。
・グリーンを松かさの大きさに合わせて小分けにカットしていきます。
・1本の枝からさらに枝分かれしている根元を切ると無駄なく使うことができます。
・松かさの上部にカットしたグリーンをグルーガンで着けていきましょう。
ヒムロスギ→マウンテンジュニパー→ヒイラギ(アクセントになるので最後の方がよいですね)の順番がおすすめです。
ベースが出来上がりました!(写真上左)これだけでもシックで良いですが、もうちょっと華やかにしていきます。
③実物などで装飾していきます。
クリスマス感を醸し出す星形のスターアニスやゴールドの松かさ・実物などのお好みのパーツをグルーガンでつけていきましょう。
④最後に仕上がった松かさオーナメントに合わせて、吊るしたり結んだりするためのリボンか紐を最初に作ったワイヤーの輪に通して出来上がりです☆
土台となる葉の色をシルバーに変えたり、白の松かさにするなど色や素材を変えるだけで雰囲気も変わり、色々なパターンを作ることができます。
飾る場所のイメージに合わせて、お好みの材料を吟味して素敵なオーナメントづくりを楽しんでくださいね♪